先週は新大統領Barrack Obamaの就任式で米国内は盛り上がった。そのような状況でも,Microsoftのどん欲な拡張路線は休むことなく続いている。今回は,昨年から続くYahoo!買収騒動の続報と,開発が進むInternet Explorer 8の話題を取り上げよう。

Take1:MicrosoftのBallmer氏,「Yahoo!の検索事業は今も興味の対象」

 2009年の米Microsoftの人員計画が明らかになってきた。そのような状況にあって,同社CEOのSteve Ballmer氏は2009年1月第4週,「米Yahoo!の検索事業に関する契約をまとめることに,今も関心がある」と述べた。同社の従来型Windows/Office事業が問題を抱えるようになり,この契約の重要性はますます高くなったと思われる。同氏は2009会計年度第2四半期(2008年10~12月)の決算発表会で,「(Yahoo!の検索事業に関する契約締結を)望んでいる」と認めた(関連記事:MicrosoftのBallmer氏,Yahoo!と密かに接触)。

 Microsoftは,2009年にインターネット検索事業で「2000~3000人程度」の人員を新規雇用する予定だ。ただし,この増員はYahoo!との契約と無関係である。MicrosoftとYahoo!は検索事業で提携する,という予想が広まっているものの,Microsoftが提携後に従業員を何人増やすかは想像するしかない。

 また,Microsoftは5000人のレイオフも計画しているが,この話はこれで終わりにしよう(関連記事:Microsoftの10~12月決算は11%減益,最大5000人を削減へ)。

Take2:「IE 8」におけるWebサイトの互換性を改善

 先日Internet Explorer(IE)関連ブログに掲載された記事によると,Microsoftは次期Webブラウザ「IE 8」のリリース候補(RC:Release Candidate)版を間もなく提供するそうだ(編集部注:この記事が米国で公開されたあとに公開が開始された「Microsoft,次期Webブラウザ「IE 8」のリリース候補版を公開」)。

 RC版は,数カ月前に出したベータ版に比べWebサイト関連の互換性が大きく向上するらしい。先ごろ一般公開された次期OS「Windows 7」のベータ版に同こんされていたIE 8よりも互換性が高いという(関連記事:Microsoftが「IE 8」ベータ2版を公開,「今度は一般ユーザーにも使ってもらいたい」)。つまり,IE 8の最新版を手に入れたいのなら,「Windows XP」「Windows Vista」上でRC版を試してみる必要がある。

Take3:米大統領Obama氏,今後も「BlackBerry」を使用

 最後に新大統領についての話題についても触れよう。ホワイトハウスに入る米大統領Barrack Obama氏にとって最大の悩みの1つは,愛用しているスマートフォン「BlackBerry」と自分あてメールにすぐアクセスできる環境を手放す必要がある,ということだった。

 とりあえず,最悪の事態を避けることはできた。米国家安全保障局(NSA)から認められた「スーパー暗号化」パッケージのおかげで,Obama氏はこのデジタル・ガジェットを持ち歩けるようになったのだ。

 ただし,Obama氏はメールと通話が許されただけなので,われわれが大統領からSMSメッセージを受け取ることは当分ない。

■変更履歴
公開当初は2番目の段落で2008年第1四半期としていましたが,正しくは2009年第1四半期です。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2009/01/28 09:15]