PMには高い情報収集能力が求められます。なぜなら、ユーザーとの要件交渉、上司との人員補充交渉、プロジェクトのメンバーとの意見交換などの交渉の場では、相手の真のニーズや本音をどれだけ確実に収集できるかが、交渉の成否を左右するからです。

 では、どんな工夫をすれば、そういった情報を引き出せるでしょうか? この場合に有効なのは、仮定法の質問をするということです。「もしこの機能を拡張するとしたら、2カ月多くかかると思いますがどうしますか?」という具合です。人は、仮定上の上では安心して質問に答えられるという心理的な特性がありますので、この心理をうまく使うのです。

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図●欲しい情報は「仮定法」で!
芦屋 広太(あしや こうた)
システムアナリスト/IT教育コンサルタント。SE、PM、システムアナリストとしてシステム開発・システム統合などを経験。この過程で調査・分析した内容を「ヒューマンスキル教育」としてモデル化。現場での教育、雑誌・書籍の発表、セミナー・研修に利用する。