一般に営業所や支社などの拠点はいったん構えたら半ば恒久的に使うのが一般的。だが、業種によってはあらかじめ一定期間しか利用しない前提で拠点を開設することがある。

 建設業の工事現場や不動産業のモデルルームがその典型。本社やデータセンターに接続する通信回線をこれら一時拠点に安く敷設するにはどうすればよいだろうか。

 多くの企業はADSLや光ファイバ(FTTH)を新規契約しているが、これは高くつく。3万円程度の工事費がかかる上に、開通までに何カ月も待たされることもあるからだ。回線開通時に立ち会いで社員が拘束される点もネックだ。

 そこで活用したいのがワイヤレスルーター。第3世代携帯電話(3G)のデータ通信機能を使ってインターネットやWANへ接続する。LANは通常のルーターと同様に構成できる。

 設置して電源を入れるだけですぐにネットワークにつながる。もちろん工事費は不要だ。通信速度は最大で7.2Mビット/秒と遅いが、料金は月5000~1万円の定額プランがあり、ADSLや光ファイバを使うのと変わらない。

図●一時的な拠点ではネット接続にワイヤレスルーターを使うと安上がり
図●一時的な拠点ではネット接続にワイヤレスルーターを使うと安上がり

 ワイヤレスルーターはインターネットイニシアティブ(IIJ)やシスコシステムズ、NTTデータ、富士通などが販売しており、価格は10万円前後から。3拠点で使い回せば工事費分の元が取れる。