パソコンに装着したヘッドホンやマイクを使って通話するソフトフォン。IP-PBXを導入している企業なら、専用ソフトを購入するだけで簡単に導入できる。

 ヘッドホンやマイクによる通話には抵抗があるかもしれない。だが、固定式のIP電話機に比べると大きなコスト削減が見込める。

 NECが販売するソフトフォン用ソフトの価格は10ユーザーで15万円から。同等の機能を持つ固定IP電話機は1台2万4000円するので、1台当たり1万円近く安い計算だ。別途、ヘッドホンやマイクを用意する必要はあるが、十分検討に値する価格差だ。シスコシステムズ製だと本体価格はソフトフォン用ソフトが約1万3000円であるのに対して、同等機能の固定IP電話機は6倍超の約8万7000円もする。

 ソフトフォンを大量導入する企業は増えている。NECパーソナルプロダクツは現在、3000人規模でソフトフォンを利用している。固定IP電話は一部の代表用に残してあるだけだという。

 ソフトフォンはビデオ会議など、通常のIP電話機にない機能も備える。うまく使えば安価で効率的なコミュニケーションツールとして定着する可能性を秘めている。