帳票などの大量印刷は社内で実施せず、外部に委託したほうが結果として安くつく場合が多い。アウトソーシング事業の一環として印刷業務を請け負う富士通は「最大で2割程度コストを削減できる」と試算する。富士通はグループ拠点に約60台の大型プリンタを設置し、顧客指定の帳票を保管。顧客からデータを受け取ると帳票に印刷・仕分けし指定の宛先に配送する。

 現在、1日当たり50社分、計1000程度の印刷ジョブを実行している。プリンタの稼働率が格段に高く償却費を抑えられる。トナーや用紙の調達でもスケールメリットが効く。富士通の利潤を上乗せしても割安な料金を提示できる。

 日本ヒューレット・パッカードは企業内の印刷機器の管理をまるごと引き受ける。プリンタや複合機、コピー機をすべて同社製品に置き換える前提で、導入費や保守・運用費込みの安価な月額料金を提案する。「関連費用を平均で3割弱減らせる」と主張する。

 米スリーエムはHPのサービスを利用し2年間で3億円弱の削減に成功したという。今秋には日本の住友スリーエムでも展開を始めた。

 アウトソーシングのハードルは低い。富士通も日本HPも基本的に初期費用はゼロ。既存プリンタのリース契約の解除手続も代行する。