システムの安定稼働を保つ上で運用・監視要員は欠かせないリソース。だが、すべてを国内でまかなおうとすると高くつく。

 日本のエンジニアの料金を月額60万円とすると、インドの相場は25万円前後。中国なら20万円以下だ。国内で動くシステムを海外からネットワーク経由で遠隔監視してもらえば、人件費を大きく削減できる。時差をうまく利用すれば、24時間体制も築きやすい。

 オムロンは2008年1月、欧州拠点のシステムのサポート業務を南アフリカのヨハネスブルグに移した。アウトソーシング契約を結ぶIBMの拠点と要員を使って、遠隔監視する。欧州およびアジアの一部で使うサーバー5000台とパソコン3万台の監視とサポートを南アフリカ拠点が担当する。人件費の高い欧州で実施するのに比べて6割程度コストを削減できるとみられる。併せて、欧州拠点のサーバーをベルギーのブリュッセルにあるデータセンターに集約する計画だ。

 大阪のデータセンターで動く国内システムも2008年1月からIBMの中国・深セン拠点が運用している。

 ITベンダーにアウトソーシングしていない場合でもグローバル企業なら海外拠点のリソースの活用を検討したい。上手に使えば運用コストは確実に下がるはずだ。