運用コストの削減には仮想化ソフトを使ったサーバー統合が効く。1台のサーバーで複数の仮想サーバーを動かすので、サーバーの台数自体を削減できる。物理的な設置スペースも減らせるし、オペレータの人件費も減る。約100台のサーバーをヴイエムウェアの仮想化ソフト「VMware ESX」を使って統合したデンソーの事例では、5年間のサーバー費用が54%削減できたという。

図●サーバー統合と仮想化の組み合わせではライセンスの考え方がコストを左右する
図●サーバー統合と仮想化の組み合わせではライセンスの考え方がコストを左右する
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 特に最近は安価な仮想化ソフトが台頭してきており、コストメリットを享受しやすくなった。オープンソースの「Xen」やヴイエムウェアの「ESXi」は無償だ。マイクロソフトのWindows Server 2008は仮想化ソフト「Hyper-V」を標準搭載する。

 仮想化ソフトを使ってサーバーを統合すると、その上で動かすソフトのライセンス料や保守サポート料を削減できる場合もある。三菱重工業は11台のサーバーを3台に統合したとき、オラクル製データベースソフトの初期ライセンス料を約1000万円、毎年の保守サポート料を約220万円削減できた。

 ただしソフトの課金方法によっては逆に割高になるケースもあるので事前の確認が欠かせない。