オープン化がこれだけ進んでも、大量の帳票印刷はいまだメインフレームという企業は少なくない。印刷速度や信頼性、ジョブ管理のきめ細かさなど一日の長があるからだ。

 だが、最近はオープン系の印刷環境も進化している。メインフレームから切り替えると、数千万円単位でコストを削減できることもある。

 年500万枚以上の帳票を印刷する情報サービス業は2年前に印刷環境のオープン化を実施した。富士通製のミドルウエアを使ってメインフレーム時代と同等のジョブ管理を8台のパソコンサーバーで実現した。

 プリンタもオープン対応のものに置き換え、ハード関連のリース代や保守代は以前の2割になった。これだけで年間5200万円もコストが減った。

 さらに帳票データの生成や印刷にかかる時間も短縮できた。夜間の作業時間が9割も減った。人件費に換算すると年100万円程度のコスト削減が見込める。併せて顧客に配布する帳票の40%を紙からCD上の電子データに切り替えた。これだけで用紙代などが年350万円減った。

 この会社が印刷環境も含めたシステムのオープン化に使った費用は約2500万円。1年で完全に投資を回収したという。