メインフレームや一部の大型UNIX機では、処理実績に応じてハードの利用料を支払う契約形態がある。中でも「キャパシティ・オン・デマンド(COD)」と呼ぶ契約では、サーバーにあらかじめ搭載してある予備プロセサをユーザーの要望に応じて即座に利用可能にする。予備プロセサ分の料金は実際に使った期間に応じてベンダーに支払う。繁忙期に使用するプロセサ数を一時的に増やせるので便利だ。

 しかし予備プロセサの利用期間が長いときは、CODはかえって割高になる。日本IBMのUNIXサーバー「Power570」を通常時は1プロセサ構成で動かし、繁忙期に予備プロセサを一つ追加すると仮定しよう。予備プロセサの利用期間が年間38日以上になると、はじめから2プロセサ構成で動かしたほうがハードの代金は安くなるという。自社のサーバー稼働状況を確認してみるとよいだろう。

 システム構成にもよるが予備プロセサの使用権をあらかじめ購入しておくと安くなるケースもある。通常は利用実績に応じて1日単位で後払いするが、日本IBMは分単位での前払いも受け付けている。1日当たりの利用時間が少ないユーザーにとっては割安だ。