ディスク障害でシステムのデータが損失したとき復旧まで何時間待てるだろうか。1日程度待てるのならバックアップにかかる費用を大幅に削減できる可能性がある。

 一般に30分~1時間で迅速にデータを復旧したいときはオンラインバックアップサービスを使う。インターネット回線や専用線を介してデータを遠隔地のデータセンターに退避させる。

 データの復旧もオンラインでできるなど利便性は非常に高いが、その分料金も高い。バックアップサービスを手がけるワンビシアーカイブズによれば、500Gバイトのデータを専用線を通じて1日1回バックアップするサービスの相場は通信費込みで年500万円。障害直前の時点にデータに復旧できるようにリアルタイムにデータをバックアップすると、料金はさらに高くなる。

 データ復旧まで半日~1日程度猶予があるなら、無理してオンラインサービスを利用する必要はない。データの退避や復元にテープ媒体を使う、昔ながらのオフラインバックアップサービスで十分だ。

 1日1回巡回してくる業者にテープを渡すと、専用倉庫で保管しておいてくれる。この料金はテープ1本当たり年200万円程度(東京23区内の場合)。バックアップデータが必要なときは連絡するとテープを運んでくれる。テープ回収と同時にバックアップテープを引き渡す場合は、追加費用はかからない。緊急に配送してもらう場合は、1回当たり5万~6万円の配送料がかかる。

 基幹系システムではなく、部門のファイルサーバーやデスクトップパソコンのバックアップであれば、オンラインストレージなどの簡易な商用サービスを使うのも手だ。3G~5Gバイトであれば、年間5万円程度で利用できる。ただしバックアップ専用サービスと違い容量は少ない。多くはサービスレベルも保証しない。復旧までの時間や保証範囲を見極めてサービスを選ぼう。