米国で購入すると同じサーバーが半額以下――。一時はなくなったかに見えた日米の価格差がいつの間にか復活していた。

 例えばIBMが2008年10月に世界同時発売した中小型メインフレーム「z10 BC」。日本は最小構成モデルを2600万円で売り出したが、同じモデルに米国は10万ドルの値札を付けている。単純計算では実に1ドル260円換算で、今のレートとは2.7倍もの開きがある。

 日本IBMは「国によって商習慣も違えば値付けの方法も異なる」とした上で、z10 BCの価格差については「米は市場推定価格、日本はメーカー参考価格」と説明する。納得できるだろうか。

 IBMだけではない。日本ヒューレット・パッカードが2008年2月に発表したブレードサーバー「HP Integrity BL870c」の発表資料には、最小構成価格が248万3000円とある。だが米HPの資料では「最小構成8000ドル以下からスタート」と記されている。こちらも単純計算では1ドル300円超だ。

 日本HPも「米国は値引き後の価格。日本は標準価格」と説明する。この機種はすぐに「半値8掛け」まで値引きするのだろうか。

 ここまで日米価格差が大きいと、米国の現地法人に製品を購入してもらい、並行輸入するのも選択肢として浮上してくる。

 気になるのはサポート。日本HPは「日本で販売しているのと同じ製品、同じバージョンでサポートサービスを提供している機種」なら、「米国で購入したサーバーも日本法人でサポートできる」としている。

 一方、グローバル企業を標榜する日本IBMは「顧客の拠点国にある現地法人からしか商品は販売できない。サービスも提供していない」とかたくな。米国で購入した製品を日本に持ち込んで使用しても「据え付け型機械の無償保証期間は購入国だけで有効」なので、サポートは受けられない。