不要不急の投資は控えるといってもどうしても新たに購入しなければならない機器はある。少しでも出費を抑えたければ、同等の機能を持つ廉価品を探してみるのも手だ。

 例えばLANスイッチ。デファクトは最大手のシスコシステムズ。運用のしやすさなどを考えて「シスコ製品が社内標準」と決めている企業は多い。だが他社製品にも選択肢を広げるとコスト削減が見えてくる。

 例えば、パソコンを集約するエッジスイッチはシスコ製と日本ヒューレット・パッカード製では実売価格が大きく異なる。通信速度100Mビット/秒のモデルはシスコ製品が12万円弱なのに対して、日本HP製品は7万円弱で入手できる。

図●ほぼ同じ機能のエッジスイッチでも実売価格は大きく違う
図●ほぼ同じ機能のエッジスイッチでも実売価格は大きく違う
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 エッジスイッチは社員数の増加やレイアウト変更で順次追加する必要がある。その際に廉価品を採用できれば大きなコストダウンにつながるはずだ。

 もちろん「安かろう悪かろう」では困る。廉価品とはいえ信頼性や互換性が低いのでは話にならない。

 幸いにしてエッジスイッチはここ2~3年で冗長化や認証といった機能の標準化が進んだ。かつては高級品の代名詞だった認証機能も今では多数の廉価品で利用できる。

 実装レベルでの相互運用性も高まっている。日本HP製品の管理用コマンドは業界標準のシスコ製品とほぼ同じなので、違和感なく混在利用できるケースもあるという。

 日本HPでLANスイッチのマーケティングを担当する伊佐治俊介氏は「コスト削減を狙って、後から追加するエッジスイッチに採用例が増えている」と説明する。同社のLANスイッチ販売数は2008年に前年の2倍に伸びたという。

 LANスイッチ以外にも廉価品を採用する余地がないかどうか、先入観を持たずに検討すべきだろう。