セキュリティ対策はコスト削減の聖域となりやすい分野。投資をけちったあまり、ウイルスの侵入やスパムメールの襲撃を許してしまったら元も子もないからだ。

 だが発想を変えれば、セキュリティ対策にかかるコストも節約はできる。メールにウイルスが添付されていないかやスパムメールでないかを自前でチェックするのを止めて、外部のベンダーが提供するSaaS型サービスを利用すればよい。

 トレンドマイクロが2008年8月に始めたメールのフィルタリングサービスを例に取ると、利用料は1人当たり年間2870円(250~499ユーザ ーの場合)。同様の機能を備えるソフトの年間利用料より700円程度高いが、自前でサーバーを設置・運用することを考えると十分にペイする。急増するスパムメールを遅延なく排除するため、専用サーバーを数十台規模で運用する企業もある。

 導入自体は簡単に済む。外部とやり取りするメールをいったんトレンドマイクロのサーバーを経由させるようメールサーバーの設定を変更するだけでよい。

 同様のサービスはメッセージラボジャパンも9月から提供している。同社の英国本社は10月に米シマンテックが買収した。今後、日本での事業もシマンテック日本法人に統合される見通し。