グーグルが提供する無償メールサービス「Gmail」。強力な検索機能やスパムメール対策機能が受けて2006年8月の一般公開以降、利用者数が急増している。自宅のメールソフトをGmailに切り替えた読者も多いだろう。

 このGmailを社内の標準ソフトにする企業が登場し始めた。Gmailを核にスケジュールや文書共有機能を追加した有償版「Google Apps Premier Edition」を使う。

 有償版といっても、利用料金は1人当たり年間6000円で済む。販売代理店である富士ソフトは、従来型のグループウエア製品の半分以下のコストで利用できると試算する。

表●Google Appsと従来型グループウエアのコスト比較
500ユーザーの場合における5年間の費用を試算した
表●Google Appsと従来型グループウエアのコスト比較

 機能的にも不足はない。有償版は99.9%のメール稼働率を保証しているし、24時間365日のサポートも提供する。

 メールに添付した機密情報が社外に流出する可能性を懸念する向きもある。こうした企業に対して富士ソフトは解決策としてオプションソフトを提供する。社内に専用サーバーを設置して機密情報はグーグルのサーバーを通さず送受信する。

 Gmailへの移行は通常3カ月あれば終わる。今すぐ決断すれば、2009年度から切り替えられる。すでにD&Mホールディングスがアジア地域約1500人で利用を始めた。JTBグループも1万3000人規模での導入を検討している。