第1回で見た職種間の“格差”は、「やりがい」や「報酬に対する満足度」にも表れている。

 図1は、設問「現在の自分の仕事のやりがいについて、どう考えていますか」に対する回答を職種別に集計したものだ。ITベンダーの戦略や商品の企画に携わるマーケティング、それからコンサルタントのやりがいが総じて高い。いずれも「大いにやりがいがある」とした回答者が3割を超えた。

図1●職種別に見た、仕事に対するやりがい
図1●職種別に見た、仕事に対するやりがい
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 背景には、相対的な平均年収の高さや、「戦略の策定や企画にかかわれる」という仕事の範囲の広さがあるとみられる。「やりがいがある」という回答も含めると、マーケティングやコンサルタントのほかにも、ITアーキテクトや、教育研修に携わるエデュケーションの高さが目立つ。

 特にコンサルタントやITアーキテクトは、給与に対する満足度が高い。図2は「(IT業界以外の)他業種同年代の人と比べて、現在の自分の給与(報酬)をどう思いますか」という設問の集計結果だ。「高いと思う」「やや高めだと思う」という回答数が、コンサルタントとITアーキテクトは突出している。コンサルタントやITアーキテクトなどの職種は、給与の高さと、企業経営や情報化戦略を支える仕事内容という二つの要素がやりがいに作用し、好循環を生み出しているとみられる。

図2●職種別に見た、他業種同年代の人と比べた自分の年収に対する見方
図2●職種別に見た、他業種同年代の人と比べた自分の年収に対する見方
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