オープンソースで動画や音声を変換するツールと言えば、ffmpegがあります。多彩なコーデックに対応しており、いろいろなものに使われています。

 このffmpegの機能の一部をPHPで簡単に使えるようにしたエクステンションがffmpeg-phpです。これを使えば、少ないコードで簡単に、動画のプロパティや画像を取得できます。

 では、早速使い方の解説です。

 ffmpeg-phpのインストールには、ffmpeg本体が必要で、ffmpegのコンパイル時に

--enable-shared

をつけておく必要があるのでご注意ください。

 ffmpegの準備ができたら、ffmpeg-phpのソースコードを

からダウンロード、解凍して、

phpize
./configure
make 
make install

とするだけでインストールは終了です。

 動作の確認は、解凍したffmpeg-phpのディレクトリにあるtests と test_ffmpeg.phpをドキュメントルートにコピーしてアクセスし、テスト用ファイルのデータが出力されれば正常です。

 次に、実際の使い方です。

dl("ffmpeg." . PHP_SHLIB_SUFFIX);    //エクステンションをロード

$movie_path = 'tests/test_media/test.avi';  //画像のパス

$movie = new ffmpeg_movie($movie_path);    //インスタンス生成

echo $movie->getFileName();  //ファイル名取得、表示
echo "<br>";
echo $movie->getFrameRate();     //フレームレート表示
/*  実行結果

tests/test_media/test.avi
24

*/

 以上、わずか数行書くだけで、test.aviのプロパティが取得できます。

 次に、画像の取得と表示方法です。(GDが必要です)

$frame = $movie->getFrame(100);
$image = $frame->toGDImage();

getFrameで取得するフレームを指定し、toGDImageでresouseを返しますので、

ob_end_clean();
header('Content-Type: image/jpeg');
imageJpeg($image,null,100);
imageDestroy($image);

とすると、画像を表示することができます。

 これらを応用すると、例えば、あるディレクトリに画像を置くだけで、動的に画像のタイトルを取得し、画像を出力してサムネイルを作成したり、動画のデータを自動的にデータベースに入力するなどの使い方がでます。

 また、ここで紹介したものはほんの一部ですので、他に使用できるメソッドなどは、公式のAPIドキュメント

をご覧ください。

 ffmpeg-phpは面倒な画像取得などを少しのコードで実現できるので、機会があれば使ってみてはいかがでしょうか。



(アシアル 門脇優児)


この記事は、アシアルが運営するPHP開発者のためのポータル&コミュニティサイト「PHPプロ!」で毎週配信しているPHP・TIPSメーリングリストを再録したものです。
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