Heartbeatの起動

それでは,Heartbeatを動作させたいと思います。

[1]crm_monの起動

 Heartbeatの動作状態を確認するために,「crm_mon」というクラスタ状態を表示するコマンドを用います。Heartbeatを起動させる前に,いずれかのノードで,次のコマンドを実行しておきます。

# crm_mon -i1 Enterキー

 1秒間隔で情報がリフレッシュされて,表示されます(写真1)。この段階では,Heartbeatが起動していないため,何も表示されません。

写真1●クラスタ状態を表示する「crm_mon」を実行した画面
写真1●クラスタ状態を表示する「crm_mon」を実行した画面
[画像のクリックで拡大表示]

[2] Heartbeatの起動

 クラスタ・ノード2台(hb01, hb02)のそれぞれで次のコマンドを実行し,Heartbeatを起動させます。

# service heartbeat start Enterキー

 Heartbeat起動後,crm_monでは,ノード hb01,hb02でクラスタが構成されていることが表示されます(写真2)。

写真2●クラスタ状態が表示されたところ
写真2●クラスタ状態が表示されたところ
[画像のクリックで拡大表示]

 その後しばらくすると,ノード hb01,hb02が有効化され,「online」と表示されます(写真3)。

写真3●クラスタ・ノードがオンラインになったところ
写真3●クラスタ・ノードがオンラインになったところ
[画像のクリックで拡大表示]

[3]cib.xmlの読み込み

 ノード hb01,hb02がonline状態になった後に,「cibadmin」コマンドを用いて,準備しておいた「cib.xml」ファイルを読み込ませます。

 cibadminコマンドは,cib.xmlやクラスタ状態の内部データを管理・編集するコマンドになります。

# cibadmin -U -x /root/hb_def/cib.xml Enterキー

すると,crm_monでは,次のような表示されます(写真4)。

写真4●設定ファイルcib.xmlを読み込んで実行したところ
写真4●設定ファイルcib.xmlを読み込んで実行したところ
[画像のクリックで拡大表示]

 リソース・グループgrpApache内のリソース「仮想IPアドレス」と「Apache」が,現用系として指定したhb01で起動(Started)していることを示しています。

 この段階で,上記のように表示されない場合,cib.xmlに誤りがある可能性が最も高いと考えられます。

 もし,cib.xmlの誤りを修正して,再設定を行う場合,一部ファイルの削除が必要になるので注意が必要です。具体的には,cib.xmlの再設定は,次のような手順で実施してください。

(1)クラスタ・ノード2台(hb01,hb02)のそれぞれで,Heartbeatを停止します。

# service heartbeat stop Enterキー

(2)クラスタ・ノード2台(hb01,hb02)のそれぞれで,次のようにファイルを削除します。

# rm -f /var/lib/heartbeat/crm/* Enterキー

(3)cib.xmlを編集します。

(4)上記 [2] ~ [3] の手順を行います。

[4] 動作状況の確認

 hb01で「ifconfig」コマンドを実行すると,次のようにeth1に仮想IPアドレスが,ネットワーク・インタフェース「eth1:0」として付与されていることが確認できます。

# ifconfig Enterキー
eth1:0 Link encap:Ethernet HWaddr 00:1E:4F:A9:6A:D7
inet addr:172.20.24.53 Bcast:172.20.63.255 Mask:255.255.192.0
UP BROADCAST RUNNING MULTICAST MTU:1500 Metric:1
Memory:fe9e0000-fea00000

 また,「ps」コマンドによって,Apacheのプロセス(httpd)が起動していることが確認できます。

[root@hb01 ~]# ps -ef|grep httpd Enterキー
root 22403 1 0 08:46 ? 00:00:00 /usr/sbin/httpd -DSTATUS -f /etc/httpd/conf/httpd.conf
apache 22414 22403 0 08:46 ? 00:00:00 /usr/sbin/httpd -DSTATUS -f /etc/httpd/conf/httpd.conf
apache 22415 22403 0 08:46 ? 00:00:00 /usr/sbin/httpd -DSTATUS -f /etc/httpd/conf/httpd.conf
apache 22416 22403 0 08:46 ? 00:00:00 /usr/sbin/httpd -DSTATUS -f /etc/httpd/conf/httpd.conf
apache 22417 22403 0 08:46 ? 00:00:00 /usr/sbin/httpd -DSTATUS -f /etc/httpd/conf/httpd.conf
apache 22418 22403 0 08:46 ? 00:00:00 /usr/sbin/httpd -DSTATUS -f /etc/httpd/conf/httpd.conf
apache 22419 22403 0 08:46 ? 00:00:00 /usr/sbin/httpd -DSTATUS -f /etc/httpd/conf/httpd.conf
apache 22420 22403 0 08:46 ? 00:00:00 /usr/sbin/httpd -DSTATUS -f /etc/httpd/conf/httpd.conf
apache 22421 22403 0 08:46 ? 00:00:00 /usr/sbin/httpd -DSTATUS -f /etc/httpd/conf/httpd.conf
root 22589 28931 0 08:46 pts/2 00:00:00 grep httpd

 さらに,クライアント用パソコン(client)から,Firefoxなどのブラウザによって,仮想IPアドレスの URL(http://172.20.24.53)を指定すると,Webサイトが参照できることが確認できます(写真5)。

写真5●仮想IPアドレスの URLを指定し,Webサイトを参照できることを確認したところ
写真5●仮想IPアドレスの URLを指定し,Webサイトを参照できることを確認したところ
[画像のクリックで拡大表示]