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西野・グローバルIT研究所

第1回 マッシュアップを取り巻く情報格差

西野 嘉之=メディネットグローバル 代表取締役 2008/12/19 日経コンピュータ

 本研究所では、日本と海外のIT技術およびその利用方法を比較し、両者の間にある情報格差について考えていきたいと思う。ただ最初に誤解のないように言っておくが、情報格差は日本だけにあるわけではない。しかし、日本の状況を正しく把握するためには、日本がどんな状況にあるかを知り、海外と比較していくことが重要である。

 第1回は、システムの統合あるいはデータをマッシュアップする上で、日本と海外ではどれだけの差があるのか。また、その情報をなぜ日本人は知らないのか、について検証していこうと思う。システム化で目指すイメージは、日本も海外も同じものだ(図1)。日本でも南澤宣郎氏が、インターネットがなかった1978年に、マッシュアップの原型のようなことは示している。

図1●データ統合のイメージ
エトキ
[画像のクリックで拡大表示]

日本の医療システムを考える

 具体的な例として、日本の医療システムについて考えてみよう。

 医療システムといえばみなさんは、電子カルテを思い浮かべるのではないだろうか?「電子カルテ」という言葉を聞けば、その名の通りカルテが電子化されたものを想像するだろう。しかし、カルテを電子化しただけでは、何の意味も持たない。電子化(ITシステム化)するということは、ITシステム化することによって業務効率を上げ、さらにデータを蓄積し、その蓄積されたデータを分析することによって、より良い医療サービスを提供するための取り組みでなければならない。

 日本の病院の場合、これまでの多くは、レセプトを計算するための医事会計システムが導入されている。そうすると、あとから電子カルテを導入する段には、当然のように医事会計のデータを中心に考えてしまう。結果、医療スタッフや患者さんのために電子カルテを導入するというよりは、いかに会計処理をスムーズに行うかが中心となり、業務フロー前提ではなく、お金の流れに合わせたシステムが構築されてしまうことになる。

 さらに問題なのは、様々なベンダーのシステムが導入されてしまう場合である。医事会計と電子カルテなど、各部門システムがネットワーク化され各システム内のデータがスムーズにやり取りできなければ、システムごとに、患者氏名やID、病名などを打ち込むことになる。各システム内にマスターデータが存在し、マスターデータ同士の整合性を取るための手作業も発生してしまう。

 このような問題になると、各ベンダーは決まって、「ネットワーク化した場合、トラブルが起こったときの責任の所在が明らかにできない」と言い出す。確かに、一面だけから見るとそうかもしれない。しかしそれは、「できない」ことの言い訳ではないだろうか?今ITは進歩し、APIを通してWebサイト同士がデータをマッシュアップしている時代なのだ。

 こう指摘すると、「ポータルサイトのデータの価値なんて、たいしたことないから、安易な技術でも使って平気なんだ」という人がいるかもしれない。しかし、ニュース記事をAPIを使って配信しているサイトだってある。ユーザーにとって、とても信頼する情報であっても、“安易”だと呼ぶ技術を利用しているのだ。

 要は、「本当にネットワーク化する気があるのか」が、問われているということだ。

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