ネットワークランキング
(2008年1月1日~12月14日)
1位 “未熟な傑作マシン”だった「iPhone」,使ってみて初めて分かった実像
2位 【iPhone 3G】実機を入手、その使い勝手はいかに?(その1)
3位 【iPhone速報】一部店舗でトラブルも,「1台も売らない」でソフトバンク恵比寿は一時騒然
4位 【iPhone 3G】実機を入手、その使い勝手はいかに?(その2)
5位 【iPhone 3G】実機を入手、その使い勝手はいかに?(その3)
6位 Vista搭載のUMPC、ウィルコムが6月中旬発売――実質9万200円
7位 NTTドコモ中村社長,iPhone獲得を続行する方針を示唆
8位 NECが中高年向けの新型携帯「N706ie」を発表
9位 世界観が素晴らしい――ソフトバンク孫社長がiPhoneの魅力を熱弁
10位 PC用外付け地デジチューナーが解禁、週内にも製品発表へ
11位 FOMA/無線LAN両対応の個人向け端末、ドコモが5~6月にも発表
12位 バッファローも単体地デジチューナーを発売へ、USB外付け型も投入
13位 これがソフトバンク版iPhone仕様?米ガートナーが次世代iPhoneを予想
14位 【WWDC】199ドルの「3G iPhone」,日本でも7月11日に発売へ
15位 B-CAS見直しが本格始動、「2011年までに改善策決め運用開始」
16位 iPhone発売48時間前,ソフトバンク表参道前には徹夜組18人
17位 超高速インターネット衛星「きずな」打ち上げ成功,1週間かけて静止軌道に
18位 iPhone 3G発売イベントフォトレポート -- 有楽町編
19位 IP電話に無言電話が着信する現象が多発,原因はインターネット上からの不正攻撃
20位 【MWC2008】「iPhone?,いえWindows Mobileです」,ソニー・エリクソンが新端末を展示

 「上位20位のうち4分の3に当たる15本がモバイル」「そのうち11本はiPhone関連記事」――。ネットワーク分野のニュース年間アクセスランキングを集計したところ,モバイル,特にiPhoneに関するニュースが圧倒的に高い人気を博したことが判明した。

1位のiPhoneレビュー記事,実は…

 iPhone関連記事のうち上位に名を連ねたのが,いわゆる「レビュー記事」だ。ランキング第1位「“未熟な傑作マシン”だった『iPhone』,使ってみて初めて分かった実像」,第2位「【iPhone 3G】実機を入手、その使い勝手はいかに?(その1)」,第4位「同(その2)」,第5位「同(その3)」がそれである。やはり,「人が使ってみてどうだったか?」の情報は貴重であることがよく分かる。

 ただし,第1位の「“未熟な傑作マシン”…」は,実は2007年6月に米国で発売された初代iPhoneを検証した記事である。2008年7月のiPhone 3G発売に伴い,ユーザー・インターフェースなどがほとんど同じ初代iPhoneについても,高い情報ニーズがあったと見られる。

 また,iPhone 3Gの販売が開始された2008年7月11日当日の“お祭り騒ぎ”に関するニュースも目に付く。第3位に「【iPhone速報】一部店舗でトラブルも,『1台も売らない』でソフトバンク恵比寿は一時騒然」,第16位に「iPhone発売48時間前,ソフトバンク表参道前には徹夜組18人」,第18位に「iPhone 3G発売イベントフォトレポート -- 有楽町編」がランクインした。

 3位のニュースは,当日並んだものの,一時,販売できないと言われたなどとして購入希望者と販売店の間でトラブルになったというもの。当日の“異常なほどの加熱ぶり”が思い起こされる。多くの人が渇望したiPhone 3Gも,今はまったく品薄感はない。12月16日からは,アップル直営店のApple Storeでの販売も開始している(関連記事)。

 なお,これらランキングには登場していない最新のiPhone関連ニュースなどは「iPhone特番サイト」に掲載されているので,併せてそちらも参照していただきたい。

発売前に盛り上がったものの,発売後はパッとせず

Windows Vistaを搭載したウィルコムの「WILLCOM D4」
Windows Vistaを搭載したウィルコムの「WILLCOM D4」

 iPhone以外のモバイル記事については,ウィルコムの小型端末「WILLCOM D4」や,NTTドコモのFOMA/無線LANデュアル端末「N906iL onefone」のニュースがランクインしている。

 前者は「Vista搭載のUMPC、ウィルコムが6月中旬発売――実質9万200円」として6位に,後者は「FOMA/無線LAN両対応の個人向け端末、ドコモが5~6月にも発表」として11位に入った。ただ,これらはいずれも発売前の段階の記事。実際に発売された後のアクセス数はパッとしない。

 WILLCOM D4は,重さ約460gという小型端末にWindows Vistaを搭載したウィルコムの意欲作。ただ,標準バッテリの持ちが短いなど,当初の期待ほどには人気は盛り上がらなかった(関連記事)。

FOMA/無線LANデュアル端末「N906iL onefone」とホームU対応無線LANルーター
FOMA/無線LANデュアル端末「N906iL onefone」とホームU対応無線LANルーター

 一方のN906iL onefoneは,企業向けでは以前から販売されていたFOMA/無線LANデュアル端末を個人向けに発売したものだ。同時にNTTドコモは,自宅から無線LAN経由のIP電話(050番号)もかけられるようにしたFMC(fixed mobile convergence)サービス「ホームU」も投入した(関連記事)。しかし,互いに無線LANエリアにいるホームUユーザー間しか無料通話にならないなど,メリットがなかなか見いだせないことなどもあり,こちらも発売後は期待されたほどの盛り上がりは見せていない。

 2008年のモバイル関連では,ほかにも米Googleの携帯電話開発プラットフォーム「Android」が大きな話題となった(「Android特番サイト」を参照)。しかし,初の商用端末「T-Moblie G1」が米国で発売されたのは2008年10月21日のこと(関連記事)。年間のアクセスランキングでは,上位進出とはならなかった。

問題の「B-CAS」についても“見直し”記事がランクイン

 モバイル関連以外では,地上デジタル放送関連の記事が3つランクインしている。第10位の「PC用外付け地デジチューナーが解禁、週内にも製品発表へ」,第12位の「バッファローも単体地デジチューナーを発売へ、USB外付け型も投入」,第13位の「B-CAS見直しが本格始動、『2011年までに改善策決め運用開始』」である。

 地デジチューナーに関しては,それまで制限されていた「単体チューナー」の販売が2008年4月に解禁された。その解禁について報じたニュースと,それを受けてバッファローが発売するという,2日後のいち早いニュースが人気を集めた。

 もう一つのB-CASについては,民間企業が独占的に事業を展開している点などに対して批判が高まっている(関連記事)。これに対して,総務相がB-CASの見直しを明言した際の2008年6月時点のニュースが13位に入った。ただ,B-CAS見直しについては依然として議論が続けられている段階であり,いまだに廃止などの結論は出ていない。