米Microsoftが自信を持って市場に送り込んだWindows Vista。だが,市場からの評判は残念ながら散々という結果である。ユーザーが,Microsoftの期待通りにXPからVistaに移ってくれていれば,こんな状況にはならなかっただろう。Microsoft自身がVistaの後継となる“本命”OSの開発を急いでいる一方で,IBMからは脱Windowsを提唱するソリューションが発表された。

Take1:Windows 7のリリースは2009年6月と予測

 「Windows Vista」の後継クライアントOSとして登場が待ち望まれている「Windows 7」のリリース時期に関しては,様々な憶測が流れている。今まで筆者は,米Microsoftが大抵の予想より相当早い時期に出荷するとしていた。そろそろ,もう少し具体的にリリース時期を予測しよう。

 Microsoftが2009年1月にWindows 7のベータ版リリースと一般公開を計画していることは,よく知られている。ベータ版提供はこれ1回だけで,あまり間隔を空けずにリリース候補(RC)版を1つ出して,すぐ最終版になる。

 筆者は,Windows 7が遅くとも2009年4月までに完成するとみている。同社が同じく4月にリリースする予定のWindows Vista/Windows Server 2008用の「Service Pack 2(SP2)」と同じタイミングだ(実のところ,Windows 7とSP2の共通コードは一般に知られているよりも多い)。

 消費者や企業の多くは,2009年6月中にWindows 7を使えるようになるだろう。つまり,筆者はWindows 7が2009年6月にリリースされると予測する。

Take2:IBMがUbuntu LinuxベースのWindows代替デスクトップ環境を発表

 かつてIT業界の重鎮だった米IBMが,Windowsの代替として使える新たな仮想化デスクトップ・ソリューションを発表した(関連記事:Linuxサーバーで集中管理する仮想デスクトップ,IBMなどがWindows代替として提案)。仮想デスクトップと聞くと古きよき1999年に戻ったような印象をもつが,実際にはどうなのだろう。当時そのような環境を本当に求めた企業など存在したのだろうか。

 このソリューションに正式な名前は付けられておらず,IBMは単に「Linuxベースの仮想デスクトップ」や「Linuxデスクトップ・ソリューション」,「仮想デスクトップ」と呼んでいる。最初の二つの呼び方は,文法的に怪しい。

 このデスクトップ環境は,基本的にサーバー用ソリューションと見ていいだろう。というのも,このところIBMはサーバーしか販売していないからだ。マン島Canonicalの提供する優れたLinux「Ubuntu」に,前時代的な「Lotus Symphony」「Lotus Notes」など大量のIBM製ソリューションを組み合わせて動かす。

 このソリューションの販売は間違いなく成功するだろう。上手な売り方だ。