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オープンソース/Linux

編集長が大胆予測 2009年はこうなる

日経Linux

Linuxマシンは「家電化」する?

日経Linux編集長 米田正明

2009/01/08
日経Linux編集長
米田正明
日経Linux編集長 米田正明

 皆様,新年おめでとうございます。2009年もよろしくお願いします。この「編集長が大胆予測 2009年はこうなる」はリラックスして読んでいただきたいため,今日は,皆様の前で話しているような文体で書きたいと思います。

 2009年はLinuxにとってどんな年になるのでしょうか。やはり無視できないのが,昨年に引き続き「デスクトップLinux」の動向です。2008年は「Ubuntu」(ウブンツ,ウブントゥ)という主にデスクトップ向けのLinuxディストリビューションが,個人ユーザーの方々を中心に一気に広まりました。これほどまでにデスクトップにLinuxが使われるようになったのはかつて無いことです。日経Linuxの読者調査でも,以前は「Fedora」というLinuxディストリビューションがダントツのシェアを誇っていましたが,昨年はUbuntuも拮抗するところまできました。直感的に操作できるGUIや,アプリケーションが多いこと,周辺機器の認識率が高いことなどが,人気の要因となっているようです。このように昨年は,1つのLinuxディストリビューションがデスクトップLinuxをけん引しましたが,今年はさまざまな複合的な要因が,デスクトップを引っ張っていくでしょう。

 その一つが,クラウド・コンピューティング。つまりクラウドへのアクセス端末としてのデスクトップLinuxです。クラウド・コンピューティングは,Gartner Hype Cycleの「幻滅期」を過ぎていないこともあり,企業に一気に広がるとは考えにくいかもしれません。しかし,Googleに代表されるようにクラウドの構築は着々と進んでおり,クラウドにアクセスすることを想定した専用Linux OSの動向は注目ポイントです。

 例えば,米Good OSが2008年12月に発表したLinuxベースのクラウドOS「Cloud」をご存知でしょうか。これはGoogleのサービスに特化したLinux OSで,起動が速く,デスクトップがブラウザのようです。2009年上旬には,Cloudを使ったネットブックが発売される見込みです。

 Cloudは「高速起動」がウリの一つですが,この「高速起動」という技術もデスクトップには重要です。皆さんご存知の通り,昨年は「Eee PC」のようなULCPC(超低価格パソコン)と呼ばれるノート・パソコンがヒットしました。大きな液晶を備えハイパワーなCPUを積んだノートと比べるとできることが多くありませんが,「ちょっとだけ使う」といった使い方には十分な性能を持っています。これらノートの国内モデルの多くはWindowsを搭載していますが,Linuxをインストールするというニーズも少なくありません。

 このノートを出先などで「ちょっと使いたい」といった場合,パソコンの電源を入れたら,なるべくすぐに起動してほしいものです。そうしたニーズに応えるように,「高速起動」の仕組みが開発されつつあります。昨年末に公開されたばかりのカーネル2.6.28には「fastboot」という高速起動機能が組み込まれました。最新の「Fedora 10」でも,高速起動が特徴の一つになっています。さらに,Eee PCや米HPのノートなど一部の製品でしか動かなかったLinuxベースの超高速起動環境「Splashtop」も,今年は他のULCPCで動くようになるかもしれません。

Webの表示もWindowsに近づく

 瞬時に起動してクラウドのサービスをすぐ利用できる,というのは確かに便利ですが,通常のWebサイトが「表示できない」ではどうしようもありませんね。Linuxがデスクトップとして使いやすくなったとはいえ,筆者は正直なところ,まだまだだと思っています。LinuxでWebサイトをよく見る人なら分かると思いますが,IEを想定したサイトで表示が崩れたり,ActiveX対応コンテンツを表示できないサイトが多いのです。これでは,LinuxデスクトップをWebブラウジング端末として人にお勧めできません。

 しかし,今年はIE(Internet Explorer)のバージョン8の正式版がリリースされる予定です。CSSなどこれまでのバージョンと比べて,より標準に準拠したブラウザになります。また,Googleのブラウザ「Chrome」のLinux版の登場も期待できます。新IEやChromeに対応したサイトが増えるにつれ,「IEでしか表示できない」といった問題も減少していくのではないでしょか。米AdobeのAIR(Adobe Integrated Runtime)や米Microsoftの「Silverlight」を使ったサイトも同じことです。2008年末に「AIR」のLinux版を公開したばかりですし,今年はSilverlightのLinux版「Moonlight」の正式版もリリースされる予定です。どれほど実用的かは追ってご報告しますが,LinuxでのWebブラウジング技術がWindowsに近づけば近づくほど,デスクトップLinuxはより多くの人に魅力的に見えるに違いありません。

>>第2の「神」は登場するか
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