Windows Vistaには,サイドバーと呼ぶ機能がある。これは,画面の端(標準では右側)にミニアプリケーションを常時表示しておくというものである。カレンダーや時計,メモ帳といった,頻繁に使う情報を画面上に常に表示しておくことで,いちいちアプリケーションを起動したり,Webブラウザを操作したりする必要がなくなる。

 筆者は,Windows Vistaのサイドバー・ガジェットがスクリーンの右端を占拠してしまう点は少々残念に感じるが,ガジェットの中には非常に便利なものがいくつかある。このところ,まるで雨後の筍のように多数のガジェットが登場しているが,サイドバーのスペースは限られている。そこで今回は,筆者が気に入っているサイドバー・ガジェットのトップ10を紹介しようと思う。読者の皆様が有用なツールを選ぶ助けになれば幸いだ。

 今回取り上げたガジェット(第1位と第10位は除く)は,gallery.live.comのMicrosoft Live Galleryから入手することができる。Live Galleryでは,ほかにも何百ものガジェットが公開されているので,筆者が紹介するガジェットに興味をそそられない人も,きっと何か面白いものを見つけられるはずだ。

第10位●Weather(天気):単なる天気情報のガジェットに過ぎないが,Weatherガジェットをいくつか追加して,友達の住んでいる遠く離れた場所の天気が一目でわかるようにしておくと便利だ。追加すると,サイドバーにユーザーが選択した都市の名前と天候を表す画像,気温が表示される。WeatherガジェットはVistaに標準で搭載されているので,サイドバーの「Add Gadgets(ガジェットの追加)」オプションを使って追加することが可能だ。

第9位●Auction Sidebar Tool for eBay(eBayオークション向けサイドバー・ツール):eBayに夢中になっている人(ほとんどの人がそうだろう)にとっては,最適のガジェットだ。このガジェットでは,オークションの検索や監視,入札などを行うことができる。eBay公認のツールなので,セキュリティ上の問題で売り手/買い手としての評価が下がることを心配する必要はない。

第8位●Wikipedia Search(Wikipedia検索):読者の中でWikipediaを使っていない人はいないだろう。もちろん,筆者も愛用している。様々なテーマについて調査するとき,Wikipediaは欠かせないサイトだ。Wikipedia Searchはサイドバーに配置するには少々サイズが大きいが,このガジェットを追加することで,Wikipediaの検索をデスクトップから迅速に実行できるようになる。検索結果は,ブラウザのウインドウに表示される。Live Galleryでは,Wikipedia Searchという名前のガジェットが2種類公開されているが,筆者は「fredeq」という作者が開発した方をお勧めする。

第7位●メッセンジャー:インスタント・メッセージング(IM)にWindows Live Messengerを使っている人は,このメッセンジャー・ガジェットを試してみるといいだろう。このガジェットは,友達のオンライン/オフライン状態,アラート,Windows Liveの電子メール・アカウントの状態を表示してくれる。

第6位●IP Webcam Gadget(IP Webカム・ガジェット):筆者は,IPアドレスを使ってリモート・アクセスできるWebカメラをオフィスに設置している。このIP Webcam Gadgetを使えば,ほかの場所にいるときでも,そのカメラからの映像をノートパソコンのデスクトップ上で確認できるのでとても便利だ。付属の.htmファイルにWebカメラのアドレスを入力するのに少々手間取ったが,設定が完了した後は,快適に動作した。

第5位●miniIP:外部IPの情報を簡単に確認できるガジェットである。このガジェットは,ユーザーが住んでいる国と都市を含む位置情報のほか,IPアドレスとホスト名も報告する。

第4位●Vista Shutdown Control(Vistaシャットダウン制御):Vistaをシャットダウンする便利な方法を提供するガジェットである。このガジェットには,システムを再起動したり,デスクトップをロックしたりするためのボタンも配置されている。Vistaのシャットダウン・プロセスが気に入らない人や,手動でのデスクトップ・ロックを頻繁に行う必要のある人にとっては,うってつけのガジェットかもしれない。

第3位●Speed Test(速度テスト):システムのパフォーマンスを監視するガジェットである。ほかのいくつかのパフォーマンス関連ガジェットと異なり,Speed Testはすべてのシステム情報をグラフで表示する。このガジェットは,CPUやメモリー,ネットワークの帯域使用率,ping応答時間,Wi-Fiの信号強度,バッテリ残量など,様々なシステム統計情報を監視することができる。

第2位●System Monitor(システム・モニター):最新のクアッドコア・プロセサを使っているユーザーなら,それぞれのコアが実際にどれくらい使用されているのか,不思議に思うことがあるはずだ。System Monitorガジェットでは,システムのIPアドレスを確認できるほか,CPUやRAMの使用状況,バッテリ残量などをグラフで一目で把握することが可能である。最大で4個のコアの監視をサポートする。

第1位●PowerShell Gadget(PowerShellガジェット):筆者が一番気に入っているサイドバー・ユーティリティはPowerShellガジェットだ。このガジェットは,「PowerShell Here(PowerShellをここで開く)」というプロンプトと同じくらい便利である。ちょうど,XP用の「Command Here(コマンド・ウインドウをここで開く)」アドオンと同じような感じだ。. PowerShell Gadgetでは,最小化されたガジェットにPowerShellのコマンドを直接入力することができる。ガジェットを展開すると,完全なPowerShellコンソール・ウインドウになる。PowerShell GadgetはWebサイトから入手可能だ。