社会人になって10年あまりがたち、仕事やオフ活動に脂がのってきたAround 35。不惑が近づいてきたことを見据え、新たなステージを探る人も少なくない。35歳前後のITパーソンは、どのような生活を送っているのだろうか。「3300人大調査」の結果を基にAround35のペルソナ(架空の人)を作ってみた。

注 調査結果からITに携わる34~36歳の回答を抽出。最頻値や平均値、自由意見を基にペルソナを作成した

Around 35のペルソナ

高橋 哲也(仮名)

イラストレーション=師岡とおる
イラストレーション=師岡とおる

 学生時代にインターネットの商用サービスが始まり、ネットと共に社会人人生を歩んできた。大学入学時にはバブル崩壊、卒業時は就職氷河期に直面。就職直後に給与制度が年功序列から成果主義に変わるなど、「いい思いを一度もしていない」と感じている。ITが特に好きというわけではないが、最近はチームリーダーの役割を任されるようになり、仕事に対して充実感も感じてきた。現在の悩みは「仕事と家庭」の両立。

●年収(諸手当含む) 583万円
●職業 システムエンジニア
●役職 チームリーダー(主任相当)
●学生時代の専攻 理系(経営工学専攻)

高橋さん(Around 35)の生活

 都内の賃貸マンションに妻と二人暮らし。同僚がマンションを購入したので、「自分もそろそろ」と準備し始めたところ。午前0時40分に就寝し、翌朝6時40分に起床。帰宅が深夜になることもあるが、普段は夕食を自宅で食べている。

 共働きのため家事は妻と分担している。休日の過ごし方としては、土曜日は買い物や掃除・洗濯。日曜日はスポーツを楽しんだり、読書やネット・サーフィンなど、自分の時間を過ごす。

 自動車は持っているが、あまり乗っていないため手放すかどうか悩んでいる。1カ月あたりのお小遣いは4万円前後(30代平均は4万2000円)

高橋さん(Around 35)の仕事

 労働時間は1週間当たり48時間。1日に約1.5時間残業している計算だ。プロジェクトの山谷が大きいため、深夜残業が続くこともあれば、定時で帰れる日が続くこともある。給与制度が「みなし残業制」のため、残業した時間すべてに対して残業代が支給されるわけではない。

 現在の仕事に携わって、良かったと強く思っている。スキルも高められるし、給与や福利厚生といった待遇も悪くないからだ。転職を考えたこともあったが、他の業界も似たようなものだったため思いとどまった。5年後は漠然と考えている程度。転職はせず、今の会社、今の職種の仕事を続けていると思っている。

高橋さん(Around 35)の情報収集・発信

 新聞は「日本経済新聞」を定期購読。ただし熟読することは無く、1週間に2~3日は目を通す程度。忙しいときでも見出しだけはチェックするよう心掛けている。

 新聞社など報道関連のWebサイトは、出社直後や昼休み、ちょっとした空き時間にチェックしている。最近はニュース系のサイトよりも、他人のブログのほうが話題のタネが多いと感じている。

 書籍は月に1~2冊購入しているが、読まずに積んであることが多い。特にジャンルが決まっているわけではない。最近は、時間管理術など自己啓発系の本を手にすることが多くなった。

 1~2年前に開設したブログは更新せずに放置状態。それよりも、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を利用することが増えてきた。日記などを書くことは少ないが、1~2週間に1回くらいはサイトにアクセスし、知人・友人の近況を見ている。

高橋さん(Around 35)のスキル

 英会話は苦手。仕事で必要になる機会が増えてきたが、なかなか本腰を入れて勉強できない。「英検(日本英語検定協会)」は中学生のころに受験したが、それ以来テストを受けてない。

 本格的にプログラミングを学んだのは就職後。学生時代は授業でFORTRANを学んだが、仕事では使っていない。現在はJavaとVisual BASICによるアプリケーション開発が中心だ。取得したIT関連資格は「基本情報技術者(旧2種)」と「ソフトウェア開発技術者(旧1種)」。いずれも入社後数年で取得した。