インストールの事前作業

 Heartbeatをインストールする前に,以下の手順 [1]~[3] を,クラスタ・ノード2台(hb01, hb02)それぞれで行います。

[1]watchdogに関する設定

 Heartbeat自体が故障したときに,OSの機能でマシンごと強制停止し,適切にフェイルオーバーするための準備として,OSの設定ファイル「modprobe.conf」に,「watchdog」設定に関する記述を追加します。

 watchdogは,最初にセットされた値(初期値)を一定時間間隔でカウントダウンさせ,0になるとシステムに割り込みを起こし,システムを再起動させる仕組みのことです。Heartbeatは,定期的に初期値をリセットし続けます。もし,Heartbeatが停止した場合,初期値が再設定されないため,カウントダウンが起こり,最終的にシステムが強制停止することになります。

 CentOSの端末から,次のようにviなどのエディタを使い,

# vi /etc/modprobe.confEnterキー

次の一文をmodprobe.confに追加します。

options softdog nowayout=0

[2] Heartbeat用ユーザーの作成

 Heartbeat用に,グループ「haclient」とユーザー「hacluster」を作成します。次のコマンドを入力します。

# groupadd -g 90 haclientEnterキー
# useradd -u 90 -g haclient -c HACLUSTER -d /home/hacluster
-s /bin/bash -m haclusterEnterキー
# passwd haclusterEnterキー
Changing password for user hacluster.Enterキー
New password:(任意のパスワードを入力)
Retype new password:(上記と同じパスワードを入力)
passwd: all authentication tokens updated successfully.

 GID(グループごとに付与されるID), UID(ユーザーごとに付与されるID) は特に制限があるわけではありませんが,コミュニティの推奨値に従っておきます。

[3] lm_sensorsのrpmパッケージのインストール

 Heartbeatのrpmのインストールで必要となる,「lm_sensors」パッケージを,事前にCentOS 5.2からインストールしておきます。lm_sensorsは,CPUの温度などマザーボードの状態をOSから監視するためのツールです。

# rpm -ivh lm_sensors-2.10.0-3.1.x86_64.rpm