■TrueCryptは,ハードディスクやUSBメモリー上に仮想暗号化ドライブを作成して利用するフォルダやファイルの暗号化ツールである。ユーザーからは,あたかも1つのドライブを操作しているように読み書きできる。
■暗号化したデータはまとめて1つのファイルとして取り扱えるため,リムーバブル・メディアで持ち運んだりメールで送信したりすることも可能だ。そうした使いやすさと,十分な暗号強度を使う高い信頼性を兼ね備えた暗号化フリーソフトである。

■ソフト名 TrueCrypt(バージョン6.1)
2000xpvista
英語日本語
■開発 TrueCrypt Foundation(著作権者)
■URL http://www.truecrypt.org/
■ファイル セットアップ・ファイル:TrueCrypt Setup 6.1.exe(3,141,016バイト)
日本語化ファイル:langpack-ja-0.1.0-for-truecrypt-6.1.zip(61,116バイト)
■対応OS Windows 2000/XP/Vista
■価格 無料
■評価
(5段階)
★★★★

 重要なデータを保存するために,フォルダやファイルを暗号化してデータを保存している人は多いだろう。データを暗号化するといっても,自宅やオフィスのコンピュータに保存されているデータを暗号化する,モバイル用のハードディスクやUSBメモリー内に保存されたデータを暗号化する,あるいは第三者にデータを送信するためのデータを暗号化する,といったさまざまな利用形態が考えられる。このような利用形態に応じたデータの暗号化のためのフリーソフトやシェアウエアは非常に多く,どれを選んだらよいか迷うほどだ。

 今回紹介する「TrueCrypt」は,こうした使い方すべてに利用できる高機能・高信頼性の暗号化ツールとしておすすめのフリーソフトである。英語版のツールながら,日本語化ファイルを適用することで日本語表示の状態で使用できる。

 TrueCryptの最大の特徴は,暗号化されたファイルを格納するコンテナとして,仮想暗号化ドライブ(TrueCryptは,これを「ボリューム」と称している)を作成することにある。つまり,コンピュータの中に仮想化されたドライブ(ボリューム)を作成し,その中にデータを暗号化して保存する形になるのだ。このボリュームは,復号化して読み出す際には,あたかも通常のドライブのように利用できる。その一方,暗号化された状態のときには,単なる1つのファイルとしてファイル・システム上に存在する。そのため,たとえばモバイル・ハードディスクやUSBメモリーに保存して持ち歩くことも可能となる。そして,別のコンピュータにTrueCryptをインストールしておけば,そのコンピュータで暗号化したボリュームを復号化して使用することももちろん可能である。