「数は力だ」。京都銀行の北山裕治執行役員システム部長はこう断言する。同行は13地銀が参加する最大陣営「地銀共同センター」の第1号ユーザー。複数の地銀が集まることでシステムの維持コストを下げられた。各行が知恵と開発費を出し合い豊富な機能を実現。ベンダーへの発言力も増した。

 米証券大手リーマン・ブラザーズが経営破綻するなど、経済環境の先行きが不透明になっている。システムの共同化に熱い視線を送る企業は少なくない。気になるのは、京都銀が言うようなメリットがどの程度あるのかだ。意見調整に手間がかかる、時間とともに個別開発部分が肥大化してメリットが薄まる、IT部門が弱体化するといったリスクもあるはず。それらはどうすれば乗り越えられるのか。

 地銀業界で共同化が本格化したのは2002年~2003年。構築中を含めれば現在は18陣営が存在する(図1)。地銀の現状を探れば、システム共同化の“真実”が見えてくる。

図1●地銀業界のシステム共同化18陣営
図1●地銀業界のシステム共同化18陣営
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