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第3回 多言語SEMの処方箋(3) 活用事例

2008/11/11
執筆:アウンコンサルティング株式会社 CBMグループ

 前回前々回と2回にわたって,海外進出戦略のフィージビリティスタディ(事前調査)としての多言語SEM(検索エンジンマーケティング)の活用方法と,多言語SEMを導入する際の留意点について説明しました。ポイントをまとめると,次のようになります。

  • 言語をはじめ,文化や生活スタイルなど思考のローカライズが必要
  • 海外進出の事前調査として活用することによってマーケティング活動の効率化

 今回はこの2点を踏まえて,多言語SEMの活用事例を紹介します。下記は,ある企業の多言語P4P(検索連動型広告)実施前の状況です。

  • 英語ウェブサイトを運営し,過去プロモーションの経験からターゲットとする国や言語を明確に決定している。
  • すでに海外プロモーションをオンライン/オフラインともに実施しているが,集客を伸び悩んでいる。
    事業分野インバウンド
    業界不動産,旅行・交通サービス
    海外プロモーション経験英語P4P(自社運用),バナー広告,紙媒体(フリーペーパー)
    ウェブサイト英語サイト
    ターゲット言語/国英語/アメリカ,イギリス,オーストラリア

 この企業に多言語P4Pを導入するに当たって,ウェブサイトとプロモーション実績を分析した結果,2つの大きな問題点が見つかりました。

 ひとつは「ターゲット選定」です。

 これまで同社は,過去のプロモーションから得られた顧客層を元にターゲット国を判断していたようです。しかし,これが知らず知らずのうちに固定観念となり,潜在顧客を自ら排除してしまっていたのです。

 海外プロモーションでは,商圏が広いので,どこに潜在顧客がいるのか予測がつかないことが多くなります。そのため,対応策として例えば,英語P4Pにおいて,最初は世界中へ広告を配信し,効果検証を繰り返しながら特定の国へ絞り込んでいくほうが,最終的には費用対効果が良くなる場合があります。

 ただし,出稿の際には,ある特定の国だけに集中し過ぎないように注意する必要があります。特に,上記に挙げたような業界(不動産,旅行・交通サービス)は,国の発展や経済などの状況によって,消費者側のニーズが大きく変化します。半期や四半期に一度は定期的に,こうした変化を見極めることが大切なポイントとなります。

 今回紹介する企業は当初,英語P4Pを英語圏の3カ国のみに出稿するだけでした。しかし,固定観念を取り除き,ドイツ・フランス・スイスなど英語を母国語としていない10数カ国へ英語P4Pの出稿範囲を広げた結果,新たな顧客の発見につながり,商圏の拡大・売上アップに成功しました。

 もうひとつの問題点は「表現を統一」していたことです。

 確かに,ブランディング統一の観点から,プロモーションの種類を問わず,すべての広告テキストを統一する手法もあります。つまり,P4Pの選定キーワード広告文,バナー広告,紙媒体の広告テキストを統一するということです。

 しかし,海外へのP4P出稿においては,状況に応じて国ごとに表現(言葉)を変えることが,より効果的なプロモーションにつながります(詳細は前回を参照)。ランディングページも国ごとに作成して,表現や色使いなどを使いわけるとより良い結果が得られるでしょう。

 このように,これまで制限していた国や地域にまでプロモーションを拡大し,同時に,表現やキーワードの使い方を国によってローカライズすると,新しい潜在顧客の発見につながることがあります。場合によっては,英語P4Pだけでなく,中国語やローカル言語(現地で使用されている英語以外の言語)でP4Pを出稿する必要性も出てくるでしょう。すると,多言語P4Pの活用によって,さらなる潜在顧客の獲得および売上アップにつながる可能性が出てきます。

本コラムは,アウンコンサルティング海外(英語圏・中国語圏)マーケティング総合情報サイト【CBM-ch】に連載中の「旬感マーケティング〜グローバルマーケティングブログ〜」を再録したものです。同サイトでは,海外(英語圏・中国語圏)SEOや検索連動型広告など検索エンジンマーケティング(SEM)に関する詳しい情報を掲載しています。
(((SEM-ch)))−検索エンジンマーケティング情報チャンネル

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