1999年に当時最年少市長として佐賀市長に就任した筆者が,約6年間取り組んだ行政改革をまとめた。

 政治家ではなく,経営者の視点で改革に取り組んできたという。資産の効率化を目指し,観光バス事業などを民間委託してきた。このほか,韓国企業に基幹システムを発注したり,管理職評価制度を改定したりといった行政内部のスリム化にも取り組んだ。

 こうした改革の裏には,議会や市の職員だけでなく,業界からの圧力があったことが生々しく描かれる。改革には痛みが伴うというが,先頭に立って取り組んだ著者の主張は説得力がある。行政関係者だけでなく,現場改革に取り組む人にとって参考になるだろう。

なぜ,改革は必ず失敗するのか

なぜ,改革は必ず失敗するのか
木下 敏之著
WAVE出版発行
1995円(税込)