原副題は「インターネットがどのように文化を殺しているか」。「タイムワーナーやディズニーのような会社と違って,グーグルは寄生虫」と断じる著者は,Web2.0やコンシューマ生成メディアが持つアマチュアリズムと著作権無視の傾向を正面から批判する。対して著者が説くのは専門家や伝統メディアの価値だ。

 IT技術の進歩は手放しで賞賛されることが多いが,本書を片手に一度その中身を検証することも必要だろう。コモエスタ坂本氏の「低度情報化社会」や宮脇睦氏の「Web2.0が殺すもの」も併せて読みたい。

グーグルとウィキペディアとYouTubeに未来はあるのか?

グーグルとウィキペディアとYouTubeに未来はあるのか?
アンドリュー・キーン著
田中 じゅん訳
サンガ発行
1995円(税込)