災害発生時などに電力会社からの電力供給が止まったときは,UPS(Uninterruptible Power Supply)がサーバーに電力を数分間供給する。その間にデータセンターの自家発電装置が重油などの燃料を使って電力を発生させ,UPSに代わって電力を供給する。

 自家発電で電力を何時間供給できるかは,データセンターに蓄えられた燃料の量によって決まる。データセンター事業者は「40時間分の燃料を蓄えている」など,必ず定量的な給電可能時間の数値を持っている。選定の際は質問してみるといいだろう。データセンターの中には,燃料が尽きぬよう,自家発電中に燃料を外部から輸送して,電力供給を継続する体制を整えているところもある。

 自家発電で電力を長時間供給できると,どんなメリットがあるのか。その一つは,電力会社による電力供給がすぐ再開されない場合でも,システムを稼働し続けられること。もう一つは,万が一電力供給が長時間にわたり再開されなかったとしても,システム担当者がデータセンターにたどり着いて,サーバーを安全に停止できることだ。

 つまり,自家発電で電力を供給できる時間が十分かどうかは,担当者がデータセンターまで移動する時間と,サーバーの停止作業にかかる時間を考慮して判断する必要がある。