ITpro EXPOのNTTデータ・ブース
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Axure RPの画面
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AxureRPが自動生成した機能仕様書
AxureRPが自動生成した機能仕様書
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左からNTTデータ ソフトウェア工学推進センタの津野裕介氏,松永充弘氏,角谷恭一氏
左からNTTデータ ソフトウェア工学推進センタの津野裕介氏,松永充弘氏,角谷恭一氏
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 「ECサイト構築プロジェクトでAxure RP Pro 5(アクシュア・アールピー・プロ・ファイブ)を適用したところ,要件定義の工数を約30%短縮できた」(NTTデータ 技術開発本部 ソフトウエア工学推進センタ ユーザーエクスペリエンスコンサルタント 松永充弘氏)。エンタープライズ部門でITpro EXPO Awardを受賞した「Axure RP」は米Axure Software Solutions製の画面プロトタイプ作成ソフト。プログラミングなしでプロトタイプを作成できることが特徴だ。

 Axure RPでは,マウス操作で画面にボタンやフォームなどの部品を配置しプロトタイプを作成する。部品に画面遷移などのアクションを定義することで,動くプロトタイプを作成できるため,使い勝手も検証できるという。また,このプロトタイプから画面仕様書をWordファイルとして自動生成する機能も備える。

 NTTデータでは2008年,Axure RPの販売に先立ってECサイト構築プロジェクトでその効果を検証した。画面数が約100,開発チームの人数がピーク時約40名でうち約30名がオフショア,全体で7カ月というプロジェクトだった。「プロジェクト・リーダーによる見積もりは,VisioやPowerPointを使って要件定義を行った場合,要する工期は2カ月と1週間程度というものだった。Axure RPを適用したところ,1カ月半で終了した(NTTデータ 松永氏)。

 Axure RPは画面レイアウトだけでなく動きも検証できることから,要件定義の精度が向上し,手戻りや修正が少なくなるという効果も得られるのではないかとNTTデータは期待する。Axure RPを検証するため適用したプロジェクトはまだ終了しておらず,完成した際には修正の多寡に関するデータも分析したいとしている。

 Axure RPの導入は,NTTデータの中期経営施策の一つである「開発プロセスの変革」の一環である。NTTデータではビジネスモデリング手法「MOYA(モヤ)」,統合開発ソリューション「TERASOLUNA(テラソルナ)」など開発方法論やプラットフォームの統一などによるシステム品質と開発生産性の向上に取り組んでいる。2009年にAxure RPを50件のプロジェクトに適応することを目指している。

 Axure RPの評価版は,NTTデータの米国子会社であるNTT DATA AgileNetのサイトからダウンロードできる。またNTT DATA AgileNetのサイトではAxure RPのオンライン・デモも公開している。NTT DATA AgileNetはAxure RPの販売および日本語化を行っており,11月下旬から販売を開始する。

[Axure RP評価版ダウンロードへ]

■変更履歴
写真3枚目最右が内藤孝一氏となっていましたが,正しくは角谷恭一氏です。お詫びして訂正します。 [2008/11/19 10:17]