この記事は,日経ソフトウエア2008年7月号の特集記事「無償のVisual Studio 2008で今すぐ始めよう!」の再録です。記事は執筆時の情報に基づいており,現在では異なる場合があります。付録DVD-ROMをお持ちでない場合は,マイクロソフトのWebサイトで入手できます。なお,2008年10月24日発売の日経ソフトウエア2008年12月号では,特集記事「Visual Studio 2008 Service Pack1 ここがスゴイ20!」を掲載し,付録DVD-ROMに「Visual Studio 2008 Express Editions with Service Pack 1」を収録しています。

 Part1では,プログラミングの入門時によく使われる単純な文字列を表示するプログラムで,Visual C#,Visual Basic(VB),Visual C++の動作を確認しました。ただ,「その次はどんなプログラムを書けばいいの?」というのも,けっこう難しい問題です。Part2では,2番目の例題として「万年カレンダ」を作ります。ユーザーが年,月,何カ月分を表示するかなどを指定すると,それに応じてカレンダを表示するプログラムです。

 .NET Frameworkのクラスライブラリに組み込まれた日時関連の機能を使えば計算は難しくありませんが,文字列の操作は少し複雑だと感じられるかもしれません。文字列操作は現在のプログラミングでよく求められるテクニックなので,じっくり取り組んでみてください。

 Part2ではVBでプログラミングします。Part3では,Part2で書いたプログラムと同等のものをVisual C#で作成し,VBとC#の違いを解説します。

ボタンとテキストボックスを使う

 Part1では,Button(ボタン)コントロールをフォームに配置し,ユーザーがボタンを押したときのイベントハンドラにMessageBoxクラスのShowメソッドの呼び出しを記述して,文字列を表示するダイアログを出しました*1

図1●フォームにボタン(Button)とテキストボックス(TextBox)を貼り付ける
図1●フォームにボタン(Button)とテキストボックス(TextBox)を貼り付ける

図2●Button1を押したときのイベントハンドラを記述し,TextBox1に「日経ソフトウエア」と表示した
図2●Button1を押したときのイベントハンドラを記述し,TextBox1に「日経ソフトウエア」と表示した

 今度は,ボタンのイベントハンドラから,TextBox(テキストボックス)コントロールに文字列を表示するコードを書いてみましょう。テキストボックスへの文字の表示は,大量の文字列を入れてもスクロールして読めますし,ウィンドウに複数のテキストボックスを配置して,複数のデータを見比べることもできます。テキストボックスから文字列をコピーして,他のソフトにペーストして利用することも可能です。重宝する手法なので,ぜひ身に付けてください。

 図1はフォームにButtonコントロール「Button1」と,TextBoxコントロール「TextBox1」を貼り付け,TextBox1のMultilineプロパティを「True」にしたところです。TextBoxコントロールは標準では1行分の大きさですが,MultilineプロパティをTrueにすることで複数行の文字列を扱えるようになります。TextBox1の字が見やすくなるように,FontプロパティはMSゴシックの12ポイントに設定しましょう。Button1をダブルクリックしてエディタに移り,Button1_Clickサブプロシジャの中に

 TextBox1.Text = "日経ソフトウエア"

と記述して実行してみてください。Button1を押すと,下のTextBox1に図2のように表示されるはずです。