サーバーと言えば,タワー型やラックマウント型,ブレード型が一般的。しかし,クラウド世代のデータセンターでは,これら従来型のサーバーでは力不足。段ボール箱に梱包したサーバーをデータセンターに運び,それを随時ラックにマウントするのでは,手間がかかりすぎるからだ。

 そんな悩みを解消するために,従来とは異なるタイプのサーバー製品が登場した。米Rackable Systemsが販売する「Extreme Efficiency」がその一つ。サーバーを工場でラックに積み込み,ラック単位でデータセンターに納入する高密度サーバーだ。1999年に創業した同社だが,2007年には米国4位のサーバー・メーカーに躍進している。

写真1●コンテナの中にぎっしり搭載されたサーバー群
写真1●コンテナの中にぎっしり搭載されたサーバー群
写真はRackable Systemsの「ICE Cube」。

 Rackableは現在,高密度化をさらに進めたコンテナ・サーバー「ICE Cube」を投入している。コンテナ・サーバーとは,文字通り貨物輸送用などに使われるコンテナの中に,ハードウエアを集積するサーバーである。ICE Cubeには,1台で最大2800台のサーバーを搭載できる(写真1)。

 コンテナ・サーバーは,2006年に米Sun Microsystemsが「移動可能なデータセンター」として「Black Box」をリリースしたことが始まり。しかし,2007年末にRackableが「高密度サーバー」として提案したことで,クラウド時代の要求に合致し,主要プレーヤに受け入れられた。

 MicrosoftはChicagoのデータセンターに220台のコンテナを展開する予定だ。30万台以上のサーバーが展開される予定である。2008年夏には,米IBMが「Portable Modular Data Center」,米Hewlett-Packardが「HP Performance-Optimized Data center」というコンテナ・サーバーをそれぞれ出荷するなど,一つの製品分野として確立されている。