既に2割のソリューションプロバイダが、工事進行基準に「対応済み」と回答─。本誌が6月に実施した「2007年度ソリューションプロバイダ業績調査」で、こんな結果が明らかになった()。

図●ソリューションプロバイダ各社の工事進行基準の対応状況
図●ソリューションプロバイダ各社の工事進行基準の対応状況
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 「対応済み」の企業は、回答企業78社のうち16社だった。このうち3社は現在、「開発フェーズで原価1億円以上の案件」など、一定金額を超えた案件に絞って進行基準を適用中。これら3社は2009年4月以降は「適用範囲の拡大を予定している」「全件への適用を計画している」といった意向を示している。

 「準備中」「検討中」「対応予定」との回答企業は57社で、78社のうち約7割。各社とも適用に向けて社内体制を見直している最中だ。調査では、「原価の見積もり方法や契約形態の見直したり、下請けへのプロジェクト管理強化を要請している」「適用対象プロジェクトの洗い出しや現在の管理体制の妥当性を検証している」「社内システムの改変に取り組んでいる」といった意見があった。

 「準備中」「検討中」「対応予定」と回答した企業も、具体的な対応時期となるとあいまいになる。「未定(回答なしを含む)」と回答した企業は57社のうち41社に上った。

 「工事進行基準はすべての企業や案件が適用対象になるわけではない。このため適用範囲を見極めたい企業が多いのだろう」と、情報サービス産業協会調査企画部の田中岳彦主任調査役は分析する。

 調査結果からは、売上規模の違いによる温度差も浮き彫りになった。売上高100億以上のソリューションプロバイダの大半は2009年4月からの適用開始を強く意識している。一方、売上高100億円未満のソリューションプロバイダで具体的な対応時期まで言及した企業は、わずか2社にとどまった。

 「対応予定なし」の回答は5社あったが、すべて売上高100億円未満の企業である。「案件規模が小さく適用案件が少ない」「月額一定の請負契約が多い」などを理由に挙げている。