最後にまとめとして,RIP機能を持つルーターとWindowsパソコンを使ってRIPの動作を確認してみよう。

 ネットワークの構成はの通り。3台のルーターのすべてのインタフェースでRIPを有効にして,2台のパソコンはWindowsXPの「RIPリスナー」と呼ばれる機能を有効にする。RIPリスナーは,RIPアップデートを受信するが自ら送信はしないという動作をする。

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 そして,(1)ケーブルを抜く前,(2)ルーター3の先のケーブルを抜いた直後,(3)ケーブルを抜いてしばらく経過したとき――の三つの状態で,パソコンAからパソコンBへ通信したときのパケットの経路を「tracert」で,パソコンAのルーティング・テーブルを「route print」でそれぞれチェックする。

 はじめの状態でパソコンBあてにパケットを送ると,最短経路であるルーター3経由で届いた(1)。次に,ルーター3の先のケーブルを抜くと,パソコンAにあるルーター3経由の経路情報のメトリック値が「2」から「16」に変わった(2)。しばらく経ってからパソコンBに通信すると,今度はルーター1を経由するルートに切り替わった(3)。

 パソコンがRIPアップデートを受信し,その情報を基にルーティング・テーブルを作り,その時々で適切な経路を採用している様子がわかる。

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