米Microsoftは,CEOのSteve Ballmer氏を箱の中に閉じ込めておきたいと考えているのではないだろうか。というのも,同氏はマイクを持つと黙っていられなくなるからだ。

Take1:口を滑らすのはいつも幹部

 同氏は出張先の英国ロンドンで先日,同社が2008年10月末の開発者会議「Professional Developers Conference(PDC)2008」で発表する予定だった秘密の将来版OS「Windows Cloud」に触れてしまった(関連記事:Microsoft,「Windows Cloud」の存在を正式に認める)。それだけでなく,PDCで紹介する計画である,Web版「Office」アプリケーションを含むことになるオンライン・アプリケーション・サービス「Office Live」の新版についても口を滑らし,そのうえ,モバイル機器向けプラットフォーム「Windows Mobile」にメディア・プレーヤ・ソフトウエア「Zune」を間もなく搭載する,という以前からのうわさまで認めた。

 そろそろBallmer氏には,『羊たちの沈黙』に登場する殺人犯,ハンニバル・レクターの噛み付き防止用拘束マスクを着けた方がよいだろう。もしくは,発言が聴衆に届くのを少なくとも30秒遅らせて,その間にチェックする手もある。

Take2:クラウド・サービス「Amazon EC2」でWindows Serverが利用可能に

 米Amazon.comは2008年10月第1週,クラウド型ホスティング・サービス「Amazon Elastic Compute Cloud(EC2)」のユーザーに対し,間もなく米Microsoftの各種サーバー製品の機能をEC2で提供する,との通知を流し始めた。「Windows Server 2008」「SQL Server 2008」などのオンライン版に加え,競合する米Oracleのデータベース用サーバーをホスティングする(関連記事:EC2のWindows Server対応は「晩秋」、米アマゾンが予告)。

 EC2は,世界で初めて商用化された真のクラウド・コンピューティング・サービスの一つだ。Microsoftのサーバー・ソリューションに対応して同社製商用ソフトウエアのレンタル提供を行うと,競合サービスを引き離すことになる。これまでEC2では,オープンソース以外のソリューションがほとんど使えなかった。