NTT東西が,NGN商用サービスの技術参考資料の改定第2版を公開した。NGNを利用した新サービス「LAN/WANモニタ」とIP-VPNサービス「フレッツ・VPNワイド」などに合わせた改定である。それぞれの内容は「ビジネスイーサ ワイド」と「フレッツ 光ネクスト」の技術参考資料に盛り込まれた。

 NTT東日本/西日本は,NGN商用サービスの技術参考資料の改定第2版を公開した。今回の改定は,NTT東西地域会社が2008年7月31日に発表した監視サービス「LAN/WANモニタ」と,2008年8月7日に発表したIP-VPNサービス「フレッツ・VPNワイド」などの内容を反映するためのものだ。

 LAN/WANモニタは,NGN商用サービスの一つとしてNTT東西が提供する広域イーサネット・サービス「ビジネスイーサ ワイド」のオプションと位置付ける。フレッツ・VPNワイドは,NGNを使った低コスト型のIP-VPNサービスである。

 このほか,同じく8月7日に発表されたセンター・エンド型VPNサービス「フレッツ・VPNゲート」のメニュー追加の内容も改訂版に含まれている。

網側からユーザー端末を監視

 LAN/WANモニタは,NGNの網側からユーザー企業のLAN内に置いたサーバーやネットワーク機器を監視する。NGN商用サービスの特徴の一つである高信頼性を実現するための手段として提供されている。

 同サービスで測定できる項目は,(1)ping監視,(2)インタフェース監視,(3)Trap監視,(4)インタフェース性能,(5)サーバー性能,(6)サービス監視,(7)サービス・レスポンス──の7項目(図1)である。技術参考資料ではSNMP(simple network management protocol)を使って監視する(2)~(5),様々なサービス(サーバー・アプリケーション)を監視する(6)と(7)について,詳しく説明している。

図1●ビジネスイーサ ワイドのLAN/WANモニターの監視項目と条件<br>NTT東西が8月18日に公開した技術参考資料「LAN型通信網サービスのインタフェース<ビジネスイーサ ワイド編>第2版」に基づいて作成した。
図1●ビジネスイーサ ワイドのLAN/WANモニターの監視項目と条件
NTT東西が8月18日に公開した技術参考資料「LAN型通信網サービスのインタフェース<ビジネスイーサ ワイド編>第2版」に基づいて作成した。
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 SNMPは,本来ネットワーク監視やサーバー監視に使われるプロトコル。「MIB」(management information base)と呼ばれる形式で様々な情報を管理している。今回の技術参考資料では,LAN/WANモニタで監視できる具体的なMIBを事細かに列挙した(図1の表を参照)。

 (6),(7)で対象となるサービスはHTTPやHTTPSなど,7種類のプロトコルに対応する。技術参考資料では,稼働状態を監視するためのコマンド情報や監視間隔,リトライの間隔や回数などを詳しく説明している。

 例えばHTTPやHTTPSの場合,NGNの網側から企業側のWebサーバーにリクエストを送信し,正常稼働を示すステータス・コード「200」を返すかどうかを見る。

 これらの機能を利用することによって,ユーザー企業は新たに設備を導入しなくても監視の仕組みを使える。高い信頼性のネットワークを安価で構築できるようになるわけだ。