長谷 和幸(ながたに かずゆき)
アイテック情報技術教育研究所 主席研究員

 今回は,ルーティングプロトコルを取り上げる。インターネットをはじめとするIPネットワークにおいて,IPパケットが正しくあて先まで到達できるのは,途中にあるルータがお互いに経路情報を交換し,あらゆるあて先に対する経路情報を保有しているからである。この経路情報をやりとりするために使うのがルーティングプロトコルである。

今日の問題

問1 インターネットにおいて,AS(Autonomous System)間の経路制御に用いられるプロトコルはどれか。

ア BGP     イ ISIS
ウ OSPF     エ RIP

問2 RIP及びRIP2の仕様に関する記述のうち,適切なものはどれか。

ア RIPでは情報交換にブロードキャストを使うが,RIP2ではユニキャストを使う。
イ RIPと同様にRIP2でもサブネットマスクを運ぶ機能がある。
ウ RIPには最大15ホップまでという制限があるが,RIP2では制限が拡大されている。
エ RIPには認証機構がないが,RIP2では更新情報のメッセージごとに認証ができる。

問3 図は,OSPFを使用するルータa~iのネットワーク構成を示す。拠点1と拠点3の間の通信はWAN1を,拠点2と拠点3の間の通信はWAN2を通過するようにしたい。xとyに設定するコストとして適切な組合せはどれか。ここで,図中の数字はOSPFコストを示す。

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問4 IPネットワークのルーティングプロトコルの一つであるBGP -4の説明として,適切なものはどれか。ここで,自律システムとは,単一のルーティングポリシによって管理されるネットワークを示す。

ア 経由するルータの台数に従って最短距離を動的に決定する。サブネット情報を通知できないので,小規模のネットワークに適している。
イ 自律システム間を接続するルーティングプロトコルとして規定され,経路が変化したときだけ,その差分を送信する。
ウ 自律システム内で使用され,距離ベクトルとリンクステートの両アルゴリズムを採用したルーティングプロトコルである。
エ ネットワークをエリアと呼ぶ小さな単位に分割し,エリア間をバックボーンで結ぶ形態を採り,伝送路の帯域幅をパラメタとして組み込むことができる。

(平成18および19年度テクニカルエンジニア(ネットワーク)試験午前問題から抜粋)

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