長谷 和幸(ながたに かずゆき)
アイテック情報技術教育研究所 主席研究員

 今回は,TCPとUDPを取り上げる。TCPとUDPは,どちらもネットワーク層(レイヤ3)のプロトコルであるIPの一つ上位に位置するトランスポート層(レイヤ4)のプロトコルである。TCPは,エンド-エンドで仮想的な通信路(コネクション)を張って通信する「コネクション型」のプロトコルで,信頼性の高い通信を実現するためにパケットの到着確認や失ったデータの再送などさまざまな制御のしくみを備えている。

 一方,UDPは,そうした信頼性確保のしくみを捨て去り,速度や通信効率を徹底追求したコネクションレス型のプロトコルである。身近な利用例としては,SMTPやHTTPなどがTCPを使い,DNSやSNMPなどがUDPを使っている

今日の問題

問1 TCP/IPネットワークにおいて,TCPを使用するアプリケーションはどれか。

ア DHCP     イ FTP
ウ ICMP     エ NTP

問2 UDPのヘッダフィールドにはないが,TCPのヘッダフィールドには含まれる情報はどれか。

ア あて先ポート番号    イ シーケンス番号
ウ 送信元ポート番号    エ チェックサム

問3 図は,組織内のTCP/IPネットワークにあるクライアントが,プロキシサーバ,ルータ,インターネットを経由して組織外のWebサーバを利用するときの経路を示している。この通信のTCPコネクションが設定される場所はどれか。

組織内ネットワーク

ア クライアントとWebサーバの間,クライアントとプロキシサーバの間
イ クライアントとプロキシサーバの間,プロキシサーバとWebサーバの間
ウ クライアントとプロキシサーバの間,プロキシサーバとルータの間,ルータとWebサーバの間
エ クライアントとルータの間,ルータとWebサーバの間

問4 TCPのフロー制御に関する記述のうち,適切なものはどれか。

ア OSI基本参照モデルのネットワーク層の機能である。
イ ウィンドウ制御はビット単位で行う。
ウ 確認応答がない場合は再送処理によってデータ回復を行う。
エ データの順序番号をもたないので,データは受信した順番のままで処理する。

(平成16~18年度テクニカルエンジニア(ネットワーク)試験午前問題から抜粋)

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