日経コミュニケーションと日経NETWORKの2誌が主催する「ネットワーク最前線」では,ネットワーク関連の最新技術を展示する。来年に試験運用が始まる次世代PHSや,年内にも商用端末が登場するAndroidの世界をいち早く触って試せる。数十cm~1m程度しか届かない2次元LANシステムや人体通信,可視光通信のデモも見られる。

 「ネットワーク最前線」では3種類の展示を用意した。「Android端末/アプリケーション」,「次世代広域ワイヤレス通信技術」,「超近距離ワイヤレス技術」である(表1)。このテーマに沿って順番に紹介していく。

表1●ネットワーク最前線の展示内容
表1●ネットワーク最前線の展示内容

Android体験コーナー

 Androidは,2007年11月に米Googleが発表した携帯電話プラットフォームである。早ければ2008年10月にもAndroidを搭載した携帯電話端末が米国で発売されると見られている。

 Androidを構成するソフトウエアは無料かつオープンソースで提供され,自由に端末に搭載可能である。また,アプリケーションの実行や通信先に従来の携帯電話のような制限がない。これらの特徴から,携帯電話にとどまらず,様々な種類の機器に組み込まれ,革新的なアプリケーションが登場することが期待されている。

動くAndroid端末を用意

 Android体験コーナーでは,Android端末およびオリジナル・アプリケーションに触れることができる。端末としては,シャープのPDAである「ZAURUS」やアットマークテクノの組み込み機器開発キット「Armadillo」にAndroidを実装したものを展示する予定だ。

写真1●Android上で動作する「俺ナビ」の画面
写真1●Android上で動作する「俺ナビ」の画面
左側のユーザーが自分の位置を右側のユーザーに送ると,右側のユーザーが地図上に線を描いて,道順を知らせる。
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 一方,アプリケーションとしてはサイバードの「俺ナビ」,キーテルの「RING BACK WEB」などを展示する。

 俺ナビは,ユーザーが地図上に直接道順を描くことで,相手を目的地に誘導するアプリケーション(写真1)。移動中のユーザーが自分の位置を地図アプリ上でポイントして先方に送ると,相手にそのポイントが表示される。ガイドする側は,このポイントからの道順を地図アプリ上に描いて返信する。

 友人同士だけではなく,ネット上のユーザーが裏道を教え合うなど,地図を介した新しいコミュニティを作ることも視野に入れているという。

 もう一つのRING BACK WEBは,電話をかけるとき,発信元のユーザーがWebコンテンツを選択しておくと,それが相手の着信画面に表示されるというもの。YouTubeの映像を流したり,特定の企業のWebページが表示されるといった使い方ができる。ユーザーが選択したWebコンテンツと共に広告を出力すれば,新しい広告市場を作れる可能性がある。「広告収入を通信料に充当すれば無料携帯が実現できる」(キーテル)という。