利用者が仕事用のパソコンに求めるのは、やはり処理性能だった。「経営とIT」サイトと日経BPコンサルティングが約2500人を対象に調査した結果によれば、仕事用のパソコンで最も重要視するのは「処理スピード」で、75%の回答者が挙げた(複数回答可、選択肢から三つまで)。

 次に重要視するのは「セキュリティ対策」で41.3%。3番目が「データの保存容量」で26.2%。「購入時の価格」は4番目と比較的低く、25.4%だった。おそらくPCの価格が十分に下がったからだと考えられる。

 「まずは処理性能」と述べるユーザーはしばらく減らないことだろう。パソコンのOSやアプリケーションはバージョンを重ねるにつれ、より多くのコンピュータリソースを利用するようになっているからだ。コンピュータリソース増の一例として、主記憶について言えば、2007年に登場したWindows Vistaは2GBが必要と言われている。これに対し、2002年に登場したWindows XPの場合、快適に利用するための搭載容量は512MBだった。5年間で4倍のリソースが必要になったわけだ。

 今やパソコンの必須ソフトと言ってもおかしくないWebブラウザも「バージョンを重ねるにつれて動作が重くなる」と指摘されている。これも処理性能の向上が求められている要因の一つだろう。

 ただ、パソコンの利用OSは最新のVistaが登場しているにもかかわらず、いまだXPが主流である。勤務先で主に利用しているパソコンについて、「搭載しているOSは何か」を聞いた。80.9%(2059人)がXPだと回答した。次に多かったのがWindows 2000で11.0%(279人)。Vistaは5.2%(132人)にすぎない。

 本調査の調査時期は2008年6月10日から17日。調査方法はWebサイトによるアンケートである。調査対象は、日経BPコンサルティングが保有するモニターや、ITproやBPnetのメールマガジン登録者。有効回答数は2566件。回答者の平均年齢は45.6歳。勤務先業種は多い順に、ソフトハウス・情報処理サービスが15.4%、電子・電気機器が11.3%、SI・コンサルが9.2%、商社・卸売・小売が7.2%。アンケート調査の関連記事はこちら