NTTデータイントラマートは、Webシステム向けの開発フレームワークの新版「intra-mart Ver.7」を今年7月に出荷した。基幹系システム開発にも適用できるようにするための機能を追加した。

 intra-martは、OSS(オープンソースソフトウエア)のWebアプリケーション・サーバー(WAS)である「JBoss」や、Java開発ツールの「Seasar2」、独自のソフト部品群「IM-BizAPI」などを統合した開発フレームワークである。Webシステムや情報系システムの開発基盤として、これまでに国内1900社のユーザー企業を獲得しているという。

 最新版であるVer.7の最大の売りは、基幹系システムの開発にも適用できるBPM(ビジネス・プロセス・マネジメント)機能を盛り込んだことである(図1)。BPM機能を使って、設計した業務プロセスをわずかな工数でシステム化したり、プロセスの変更部分をすぐさまシステムに反映したりできるようにした。

図1●intra-mart Ver.7はBPM機能を追加し、基幹系システムの構築でも使えるようにした
図1●intra-mart Ver.7はBPM機能を追加し、基幹系システムの構築でも使えるようにした
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 「プロセスを反映したソフト部品を蓄積でき、外部のシステムとも簡単に連携可能だ。ユーザー企業はソースコードを手直しする必要がなくなる」。NTTデータイントラマートの和田誠取締役マーケティング本部長は語る。

 さらに「SOA(サービス志向アーキテクチャ)に基づくシステム構築を実現する基盤製品として、intra-martをユーザー企業に売り込んでいく」と意気込む。

開発環境を改良、ESBも搭載

 intra-mart Ver.7は、BPM機能でシステム構築に伴う業務プロセスの設計や分析、改善といった作業を支援できる。日本版SOX法(J-SOX)対応で必要とされるリスク・コントロール・マトリックスなどの文書を出力する機能もある(図2)。「J-SOXでBPM機能に関心を持つユーザー企業は増えている。BPM 機能のメリットをアピールすれば商機は広がるはずだ」。和田取締役は期待する。

図2●intra-mart Ver.7は、内部統制対策に向けた文書作成の支援機能もある
図2●intra-mart Ver.7は、内部統制対策に向けた文書作成の支援機能もある
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 業務プロセスを設計するBPM機能を使えば、「業務プロセスと、これに対応するソフト部品や操作画面などを、マウス操作で関連付けることができる」(NTTデータイントラマートの久木田浩一マーケティング副本部長)。

 intra-mart Ver.7は、SOAに基づくシステムを開発するため、JavaやXML(拡張マークアップ言語)などの開発環境も改良した。ユーザー企業やSIerが開発した既存のソフト部品を「自動的に業界標準のWebサービスとして呼び出せるようにした」(久木田副本部長)。

 intra-mart Ver.7はWebサービスの仕組みで、ERP(統合基幹情報システム)などの外部のシステムと連携できる。多数の外部システムとデータをやり取りできるようにするため、ESB(エンタープライズ・サービス・バス)ソフトも搭載する。