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記者のつぶやき

iPhoneアプリの未来を見せてくれた「Sekai Camera」

堀越 功=日経コミュニケーション 2008/09/18 日経コミュニケーション

 筆者がiPhone 3Gを購入して早1カ月半ほどが過ぎた。「日本語入力が遅い」,「突然ブラウザが落ちる」といった数々の不満はあるものの,メールやWeb,映像のビューワーとしては便利そのもの。今では筆者にとって無くてはならないデバイスになりつつある。

 とはいえ筆者がiPhoneを購入した理由は,実はデバイスに対する興味ではない。アップルが用意するアプリケーション・マーケット「App Store」に出てくるであろう,これまでにないようなアプリケーションにいち早く触れたいと思ったからである。App Storeは世界規模のマーケットであり,開発者も世界に拡がっている。次の時代を見せてくれるような新しいアプリケーションの形が,App Storeから生まれてくるのではないかという期待があったのだ。

 筆者はiPhone 3G購入直後から,無料・有料を含めてかなりのアプリケーションをApp Storeからダウンロードした。すぐに使わなくなったアプリも含めれば,既に80本近くになるのではないか。ダウンロードしたアプリの中では,自宅の音楽ライブラリをどこでも聞ける「Simplify Media」を愛用しているし,iPhone上でAKAIのサンプラー「MPC 2000」を再現した「BeatMaker」も完成度が高い。しかし全体的に見れば,失礼ながら「今から自分でアプリケーションを開発しても,App Storeで勝負できるのでは」と思うほど,クオリティに疑問を感じるアプリが並んでいることも確かだ。当初期待していたような,新たな世界を見せてくれるようなアイデアを持ったアプリケーションには,ほとんど出会えていない。

「Sekai Camera」のデモに新たな可能性を見る

 そんな中,2008年9月の第2週に,米国のIT系情報サイト「TechCrunch」が主催するスタートアップ企業の紹介イベント「TechCrunch 50」が,サンフランシスコで開催された。Webなどを通して会場の様子をチェックしていたが,ここで初めて,「これは新しい!」と感動を覚えるようなアイデアを持ったiPhoneアプリケーションに出会った。頓知・(とんちどっとと読むらしい)という日本の企業がプレゼンテーションした「Sekai Camera」がそれだ。

 Sekai Cameraは,iPhoneのカメラを通して見た現実の世界の風景に,情報をオーバーレイで表示する仕組み。情報の表示には位置情報や加速度センサーなどを使っているようだ。YouTubeにはSekai Cameraのコンセプトを紹介したデモビデオが公開されており,そこではiPhoneのカメラを通してショップの棚に並ぶ商品を見ると,その詳細情報がオーバーレイ表示される様子などが紹介されている。アニメなどで見慣れた表現ではあるが,カメラとGPS機能,傾きセンサーなどを内蔵したiPhoneだからこそ可能になるアプリケーションだ。

YouTubeで公開されているSekai Cameraのデモ

 このデモビデオを見た瞬間,一気にiPhoneを使った新たな世界が見えてきた。現実に見えている風景にユーザーがどんどん情報を書き込んでいけば,iPhoneを通してもう一つの現実世界が広がる。今ここで自分が感じている色や形,感触といった現実世界の情報に加えて,過去に誰が記した痕跡なども情報として加わる。例えてみれば,喫茶店の自由帳で過去に思いがけない有名人が来ていたことを示す書き込みを見つけた時のような,そんな驚きが町中に溢れるのではないか。Sekai Cameraのデモは,そんな新しい世界を垣間見せてくれた。

 そんなSekai Cameraだが,まだApp Storeに登場しておらず,公開に向けてはまだ開発が必要な段階のようだ。実際プレゼンテーションでは,まだ技術的な詳細は明らかにされておらず,頓知・のCEO(最高経営責任者)の井口尊仁氏が記したCNETの記事でも「開発者を募集中」(CNETの関連記事)とある。もっとも開発チームには,iPhoneのアプリ作成やメディア・アートの分野で著名なIAMAS/国際情報科学芸術アカデミー教授の赤松正行氏も関わっているため,期待は高まる。

もりあがるAR(拡張現実)開発,電脳フィギュアも登場

 Sekai Cameraに感動したことを編集部内で話したら,AR(augmented reality:拡張現実)と呼ばれる分野の開発が,昨今盛り上がっていることを教えてもらった。NHKで昨年放映されて話題を呼んだアニメ「電脳コイル」のように,メガネ型のデバイスを通して現実世界を見ると,様々な情報が付加されるシステムを作ってしまった人や(参考ページ),Webカメラで撮った映像上にバーチャルなキャラクターが出現する「電脳フィギュア」(参考ページ)なる商品も登場している。

 いずれも現実世界にバーチャルな情報を融合させるという,新たな情報取得の形を提示している。個人的にはセカンドライフのような完全にバーチャルな映像で構成された世界よりも,現実世界をベースに情報を加えるというAR技術に大きな可能性を感じている。

 Sekai Cameraは中でも,iPhoneという誰もが利用できる普遍的なデバイスを使ってARを実現する意味で,実に興味深い試みだと思う。

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