【問題1】
 LANスイッチは,MACアドレスと出力ポートの対応表である「MACアドレス・テーブル」を作り,このテーブルを基にフレームを転送します。しかし,MACアドレス・テーブルに目的のMACアドレス情報が登録されていないケースもあります。こうした転送先のわからないフレームをLANスイッチが受け取った場合,どのような動作をするでしょうか(1つ選択)。

 【選択肢】 正解
A) フレームを廃棄する
B) 送信元にエラーを通知する
C) フレームを一定期間保存する
D) フレームを受信ポート以外の全ポートに送信する

正解は選択肢Dです。

 LANスイッチが対応するイーサネット規格はそもそも,伝送媒体(ケーブル)を共用するLAN技術として誕生しました。そのため,イーサネットに接続する端末は,自分あてのMACフレーム以外に他の端末あてのMACフレームを受信することがあります。その場合,自分あてでないMACフレームは端末側で廃棄するようになっています。

 つまり,LANスイッチはMACアドレス・テーブルに登録されていないMACアドレスがあて先となっているMACフレームを受信しても,それを廃棄したり「エラー」と認識したりする必要はありません。また,一定期間保存しても,何も解決しません。

 そこでLANスイッチは,そうしたMACフレームを受信したら受信ポート以外のすべてのポートに転送し,該当するMACアドレスを持つ端末からの応答を待ちます。応答してきたら,応答してきたポートとMACアドレスを対応付けてアドレス・テーブルに記録するわけです。