Calcには3種類のフィルタ機能が用意されている。その中で実用的で利用価値が高いのが「特殊フィルタ」機能だ。今回は,この機能を取り上げよう。

 Calcのシート上に蓄えたデータベースから,条件に合うデータを抽出したいというときには,「データ」メニューにある「フィルタ」を使う。このコマンドは5つのサブコマンドで構成され,区切り線から上の3つで,3種類のフィルタ機能を使い分けるようになっている(図1)。

図1●3種類のフィルタ機能が用意されている<br>(1)「オートフィルタ」と「標準フィルタ」は,簡単に利用できて,分かりやすい。 (2)「特殊フィルタ」は,使い方が少し難しい。しかし,条件と結果をシート上に残せるで,複数の結果を比較するのに便利だ。
図1●3種類のフィルタ機能が用意されている
(1)「オートフィルタ」と「標準フィルタ」は,簡単に利用できて,分かりやすい。(2)「特殊フィルタ」は,使い方が少し難しい。しかし,条件と結果をシート上に残せるで,複数の結果を比較するのに便利だ。
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 このうちの「オートフィルタ」と「標準フィルタ」は,手軽に使えるので活用している人も多いだろう。それに対して「特殊フィルタ」は,使い方が少し複雑だ。また“特殊”という名前からして,一般的ではない感じがする。しかし,最も役に立つ,利用価値の高いフィルタ機能が「特殊フィルタ」なのだ。今回は,この機能を使いこなせるようにしよう。

 データを抽出する作業では,条件を少しずつ変化させて結果を比較したい場合がある。残念ながら,オートフィルタや標準フィルタでは,条件を保存できないため,作業はとても面倒になる。特殊フィルタなら,条件と結果の両方をシート上に保管して,両者を同時に見られる(表1)。

表1●3種類のフィルタの比較
○はシート上のデータ。△は,一定の操作を行うことで保存できる。×は保存できない。
表1●3種類のフィルタの比較

(1)オートフィルタと標準フィルタ

 特殊フィルタの解説の前に,オートフィルタと標準フィルタについても,簡単に説明しておこう。