【第1問】
サーバー仮想化とは,「物理サーバー・マシンを仮想化して,その上に複数の仮想マシン(仮想サーバー)を動かす技術」を指します。サーバー統合の手段として注目されています。さて,次の選択肢の中で,サーバーを仮想化しないと実現できないことはどれでしょうか(1つ選択)。
【選択肢】 | 正解 | ||||||||
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正解は選択肢Cです。
サーバー仮想化の大まかな仕組みは,(図1)のようになります。物理サーバーのハードウエアを「ハイパーバイザー」と呼ぶ薄いソフトウエア・レイヤーで仮想化し,その上に複数の仮想マシン(VM)を同時に実行させることができます。個々の仮想マシンは独立していますので,それぞれ異なるOSをインストールしても問題ありません。Windows Serverをインストールした仮想マシンとLinuxをインストールした仮想マシンを,1台の物理サーバー上で同時に実行可能です。このように,「ハード」と「ソフト」を完全に切り離せることが「仮想化」の特徴であり,画期的な点でもあります。
仮想化していない物理サーバーでは,ハードウエアとOSが必ず1対1の関係になります。1台の物理サーバーに複数のOSをインストールすることはできますが,同時に起動できるOSは1つだけです。この点から,サーバーを仮想化しないと実現できないことは,選択肢Cの「1台の物理サーバーで,複数のOSを同時に起動する」ということになります。なお,大型サーバーの中にはパーティショニングによってハードウエア・リソースを分割し,複数のOSを起動できる製品もあります。このパーティショニングも仮想化技術の1つと考えられます。
選択肢Aについては,同じOS上で動く業務アプリケーションであれば,原則として1台の物理サーバー(1つのOS)上に集約できます。サーバーを仮想化しなくても実現可能です。選択肢Bについても,デュアルブート構成にすればWindowsとLinuxをインストールできます。選択肢Dは,仮想化しているかどうかにかかわらず,サーバーOSが備える一般的な機能です。