ただ漠然とプレゼンテーション・ソフトを使うだけでは,印象に残る良いプレゼン資料の作成は難しい。今回は,Impressの基礎として,初めてプレゼン資料を作成するときの操作ポイントを解説する。
ワープロや表計算には触れたことがあっても,プレゼンテーション・ソフトは初めてという人は多いだろう。そこで,Impress編では,プレゼンテーション入門から始めることにしよう。
あなたが,初めてプレゼンテーションを行うことになったとする。プレゼン資料を作成するため,とりあえずImpressを起動した。すると,図1の「プレゼンテーションウィザード」が開く。ここには,「白紙のプレゼンテーション」「テンプレートから」「既存のプレゼンテーションを開く」という3つの選択肢が用意されている。あなたは,「テンプレートを使えば簡単だ」と喜んで,「テンプレートから」をチェックして「次へ」ボタンをクリックする。……これでは,ほぼ間違いなく“出来の良い”プレゼン資料の作成に失敗する。
(1)成功するプレゼンテーションを考える
最初に,“成功するプレゼンテーション”とはどのような内容かを確認しておきたい。プレゼンテーションには,中身が必要だ。スライドのデザインがいくら素晴らしくても,どれだけ派手なアニメーション効果を使っても,中身がしっかりしていなければ,プレゼンテーションは成功しない。
「何を当たり前のことを」と思われるかもしれないが,とかく枝葉末節のテクニックに流れてしまいがちなのが,プレゼンテーションだ。前述の「あなたが,初めてプレゼンテーションを行うことになった」に対する正しい最初の対応は,「中身を練り上げること」である。十分に中身を検討して,その後でプレゼンテーション・ソフトを起動する必要がある。
中身を練り上げたら,Impressを起動する前にもう1つだけ準備をしておこう。Impressにはスライドのデザインが少ないという欠点がある。テンプレートは,4つしか用意されていない*1。そこで,インターネットで公開されているテンプレートを入手しておこう。