表計算ソフトを用いた作業では,数値データから変化や結果を敏感に読み取らなくてはならないことがある。そうしたときに便利な「条件付き書式設定」を取り上げよう。

 図1のaのような株価チェック表を作成して,出来高が1万株を超えた日がどのくらいあったかを知りたいとき,出来高の数値を目で追っていくには限界がある。そうした場合に利用したいのが「条件付き書式設定」と呼ぶ機能だ*1

図1●条件付き書式設定<br>「条件付き書式設定」機能を使うと,一定の条件に該当するデータの書式を自動的に切り替えられる。この機能を活用することで,特異値やデータの変化を簡単に知ることができる。この画面は,出来高が1万株を超えたセルを黄色でマーキングしている。
図1●条件付き書式設定
「条件付き書式設定」機能を使うと,一定の条件に該当するデータの書式を自動的に切り替えられる。この機能を活用することで,特異値やデータの変化を簡単に知ることができる。この画面は,出来高が1万株を超えたセルを黄色でマーキングしている。
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 この機能は,その名が示すように,特定の条件に該当したときに書式が変化する機能だ。この機能を使って「出来高」が1万株を超えた日を黄色でマーキングすると,図1のbのようになる。

 今回は,この条件付き書式設定機能を取り上げよう。同じ機能はMS Officeの表計算ソフトExcelにもあるが,次に述べるように,やり方が若干異なる。

(1)条件付き書式設定の準備

 ExcelとCalcでは「条件付き書式設定」のやり方が少し違う。特に重要なのが,Calcではあらかじめ「スタイル」を作成しておく必要があることだ。

【Excel】
 条件付き書式設定機能の中で,「条件の設定」と「切り替える書式の設定」の両方を行える。

【Calc】
 「条件の設定」と「切り替える書式の設定」の作業は別々に行う。「切り替える書式の設定」は,あらかじめスタイル機能を使って作成しておく。条件付き書式設定機能の中では「条件の設定」だけを行い,あらかじめ作成したスタイルを呼び出す。