私が若いプロジェクト・マネージャ(PM)によくアドバイスすることの一つに、「人は自分の意思だけで行動しない」ということがあります。組織に所属する人は、上司や部下、取引先などに影響されます。その中でも、強い影響を与えるのは上司です。自分は「YES」と言いたいことでも、上司が「NO」なら「NO」です。組織に所属する人はそういうものだとPMは認識しなくてはなりません。

 だから、相手を説得する際には、必ず相手本人だけでなく、その後ろに控えている上司を見ていることが不可欠です。相手自身が「NO」なのか、その上司が「NO」なのかで、説得戦略が全く異なってくるからです。PMとして持つべき説得の基本手法は相手の上司を見ること。「そ」には、そんな若いPMに伝えたいフレーズを選びました。

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図●その「NO」の後ろに上司あり!
芦屋 広太(あしや こうた)
システムアナリスト/IT教育コンサルタント。SE、PM、システムアナリストとしてシステム開発・システム統合などを経験。この過程で調査・分析した内容を「ヒューマンスキル教育」としてモデル化。現場での教育、雑誌・書籍の発表、セミナー・研修に利用する。