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 コスト見積もりでは,「人件費」のほかに「経費」「予備費」も見積もりの対象になる。もちろん人件費が大半を占める。

 人件費の見積もりでチェックしたい点は,メンバー構成を詳細に調べてあるかということである。人月単価に関する情報(1~5番)を用意しても,メンバーがあいまいだとどの人月単価を適用すべきかが選べない。工程別や職種別の人数・期間はもちろん,候補となるメンバーが保有する経験やスキルといった観点で評価する(10~11番)。メンバーをアサインすると別のプロジェクトで要員不足が起きないか,メンバー間の相性に問題はないか,などもトラブルの芽を摘むために見積もりの際に確認しておきたい(12~13番)。開発メンバーとともに,品質保証や技術支援,マネジメントといったスタッフ部門のメンバーも明確にしておこう(14~16番)。

 経費では,コストが膨らみやすい開発環境やテスト環境,コミュニケーション環境を中心にチェックする(19~21番)。新たにソフトウエアやハードウエアを購入する場合,その種類や値段,購入形態を調べておく。その他の経費については,プロジェクトに参加するメンバーの数によって変化する。工程別にも大きな差が出ることに注意したい(22~24番)。

 予備費は,厳しい納期を順守するために追加要員を投入する場合などを想定する(26番)。プロジェクト全体と工程別の二つの視点で人数と期間をチェックしよう。稼働直後にシステムが安定しない場合もある。これを解決するための要員についても,その人数と期間を確認しよう(27番)。